セロニアス・モンク、未発表ライヴ音源アルバムより先行配信曲「ドント・ブレイム・ミー」が公開

2020.7.12 13:00
セロニアス・モンク、未発表ライヴ音源アルバムより先行配信曲「ドント・ブレイム・ミー」が公開サムネイル画像!
(c)Jim Marshall

7月31日にリリースが予定されているジャズ史上最高の鬼才、セロニアス・モンクのライヴ・アルバム『パル・アルト ~ザ・ロスト・コンサート』より、2曲目の先行配信曲となる「ドント・ブレイム・ミー」が解禁された。

本アルバムは、これまで一度もリリースされたことのない完全未発表音源で、1968年にカルフォルニア州の普通の高校で行われた異例のライヴの音源が収録されている。このライヴは、ジャズを愛する一人の高校生の熱意にモンクが応えたことで実現に至り、音源は今日に至るまでライヴの発案者で当時高校生だったダニー・シャーの自宅屋根裏で保管されていた。当時、ジャズ・アーティストとして人気絶頂だったモンクがライヴ・ハウスやジャズ・ラウンジ以外で演奏することは珍しく、モンクの息子でありドラマーのT.S.モンクは「自分の父親が高校で行われたギグに参加していたなんて、全く知らなかった」と語っている。ライヴの録音も、高校に勤めていた用務員が行った。今回公開となった「ドント・ブレイム・ミー」でも、約6分30秒の演奏の前後に当時モンクへ贈られた拍手がそのまま録音されており、当時の雰囲気がそのまま残る貴重な音源となっている。

また、ライヴが行われた1968年は公民権運動の立役者だったマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された年でもあり、ライヴが行われたカルフォルニアにおいても、人種間の緊張はピークを迎えていた。白人であるダニー・シャーが、黒人アーティストのライヴを企画することにおいても、乗り越えなくてはいけない壁や多くの批判があったが、シャー本人は「このコンサートから派生して生まれた政治的、人種的な影響について、私は一度も考えたことがありませんが、私はただ、セロニアス・モンクは誰もが聴くべき音楽だと思っていました。音楽は絆を生む、そして私はそれを作りたかったんです」と語っている。

アルバムには音楽的にも評価の高い、チャーリー・ラウズ(ts), ラリー・ゲイルズ(b), ベン・ライリー(ds)とのカルテットで演奏したモンクの代表曲である「ルビー・マイ・ディア」、「ウェル・ユー・ニードント」「ドント・ブレイム・ミー」「ブルー・モンク」「エピストロフィー」「アイ・ラヴ・ユー・スウィートハート・オブ・オール・マイ・ドリームス」の6曲が収録される。

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