話題沸騰の『らんまん』物語を優しく彩るあいみょんの主題歌「愛の花」の魅力とは?
『らんまん』は、幕末から明治、そして激動の大正・昭和と混乱の時代の渦中で、愛する植物のために一途に情熱的に突き進んだ主人公・槙野万太郎(神木隆之介)とその妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描いた物語で、登場人物の心情や人間模様を丁寧に描いたストーリーがSNSを中心に話題を呼んでいる。そんな作品の世界を彩るのが、2018年に「マリーゴールド」が大ヒットし、これまでにも、日本テレビ系ドラマ『獣になれない私たち』(2018年)やTBS系ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(2020年)などの人気ドラマとタイアップを行ってきた、あいみょんの歌う「愛の花」だ。
今回、作詞・作曲を担当したあいみょんは、ドラマ公式サイトに「ただひたすらに愛する力を持つ、そんな主人公や主人公の奥さんと向き合いながら制作した楽曲です」といったコメントを寄せている。さらに、作中の登場人物である、万太郎の妻・寿恵子をイメージして同曲を作ったことを、NHK『あさイチ』への出演時に明かしており、自由奔放な万太郎を支える寿恵子の想いを“私は決して今を 今を憎んではいない”という歌詞に込めたという。あいみょんは、「きっと苦労はあっただろうし、大変だった。本当は憎みたかったかもしれない、けど『憎んでいないよ』って言えるような懐の広さと深さがあった人なのかなとも思います」と話しており、こうした作品や登場人物への深い理解があるからこそ、同曲は『らんまん』の視聴者の心を掴んでいるのではないだろうか。
また、これまでイラストと実写が組み合わさったあたたかな雰囲気の映像と共に、ドラマのオープニングで使用されてきた「愛の花」だが、6月30日に放送された第65話では、万太郎の生家である造り酒屋「峰屋」を長年支え続けた祖母のタキ(松坂慶子)がこの世を去る場面で楽曲が流れ、視聴者から「愛の花が流れるタイミングと歌詞がおばあちゃんとマッチしすぎてもう嗚咽です…」「あいみょんの『愛の花』の歌詞が響く」「タキさんの生き方に重なった」と感動を呼んだ。寿恵子の心境を歌ったという「愛の花」だが、今を懸命に生き、未来を温かく包むような歌詞は、この物語を生きる登場人物たちの人生と重なるのかもしれない。
物語が1つの山場を迎え、7月3日から放送の第14週「ホウライシダ」より、万太郎と寿恵子の夫婦の物語が本格的に始まった。“本当は憎みたかったかもしれない”というあいみょんの言葉通り、2人にはこれから様々な試練が訪れそうだが、あいみょんの歌声が、万太郎と寿恵子、そしてその周囲で生きる人々の人生を優しく彩ってくれるのではないだろうか。