山猿、最新アルバム『あいことば9』は“集大成”の作品に「全部を知ってもらえるんじゃないかな」
地元福島を愛し、全国に『愛』を発信し続けるアーティスト・山猿さんが、11月22日にニューアルバム『あいことば9』をリリースされました。
本作は、各配信サイトにてランクインした「お月様が笑わない」を含む全12タイトル中11曲が新曲と、その比率はあいことばシリーズ史上最多。フィーチャリングアーティストに、以前から交流のある新潟県出身のグループ・Rafveryや、同じ福島が地元の新星アーティスト・PoPoRoを迎え、バラードからHIP HOPまでジャンルにとらわれない作品に仕上がっています。
また、「大切に作り上げた楽曲を実際に手に取って聴いてほしい」との想いから、ストリーミングや配信は行わず、 あえてレコードを彷彿させる紙ジャケットを使用するなど、随所に山猿さんのこだわりが込められている一枚でもある『あいことば9』。
今回は、山猿さんにニューアルバムにかけた思い、制作秘話、ファンに向けての思いなどを伺いました。
◆“自由に作った”最新アルバムのこだわり
ーー前作の『あいことば8』リリースから約1年、振り返ってみるとどんな一年でしたか?
山猿さん(以下:山猿):めちゃくちゃ早かったですね(笑)。
コロナ禍で、やりたかった事が一気に目覚めたというか、今まで我慢してきたことが一気に弾けたというか。最近はライブも少しずつ増えてきてずっと会えなかったファンの方々と会える機会が増えてきてめちゃくちゃ嬉しいです。
ーー11月22日にリリースされたニューアルバム『あいことば9』には、シリーズ最多曲数となる12曲が収録されています。ボリューミーな曲数になった背景はどんなものなのでしょうか。
山猿:制作面では、今回も自由に作らせていただきました。
山猿の音楽は98%実体験から作っていて(あと2%は妄想の世界です(笑))、ジャンルにとらわれずオールジャンルなスタイルで作る音楽が大好きなので今回も自分自身大好きなアルバムができました。
1番こだわったのはやっぱり歌詞ですかね。
「山猿ってどんな人?顔も音楽もそんなに知らない」って方に山猿ってこんなミュージシャンって1発で分かってもらえる作品にしたくてこのアルバムを作りました。今の時代は音楽っていったらTikTokやサブスクが当たり前で、好きな曲はあるけど、サビしか知らないみたいな(笑)。
その曲を歌っているアーティストの性格とか、何をこの人は思ってる?とか普段どんな言葉遣いをするんだろう?友達関係は?とか結構今の子達は知らない人たちが沢山いて、もっと僕の事を知ってもらいたくて(笑)。
このアルバムを聴いたら僕の全部を知ってもらえるんじゃないかなと思います!
◆「これを作ろうって作った曲が1曲もないんです」
ーーアルバムの全体のテーマは最初から決まっていましたか?それとも作り上げて行くうちに決まったのでしょうか?
山猿:テーマは出来上がっていくうちに形になっていきました。
山猿の音楽は普段生活してて思った事、感じた事をそのまま日記の様にリリックにして書いているので、今まで作ってきた全曲そうなのですが、これを作ろうって作った曲が1曲もないんです(笑)。
だから嘘がないというか馬鹿正直というか。普通だったらここのメロは次のキーと被るからやめようとか、この言葉や言い回しは次の2aで使うから取っておこうとかあると思うんですけど、僕は全くないんです。
フリースタイルじゃないんですが、思った事をそのまま何も加工せず曲にしていくのが僕のやり方で。制作段階でメロディーと言葉が一緒に出てきたものをレコーディングするんです。なので、音楽を聴いてくれた人達にそれがそのままダイレクトに伝わってくれていれば嬉しいなと思ってます。
ーー本作のリード曲『最後の愛のうた~』は1曲目となりました。“最後”とつくこの曲から始まるのに驚いたファンの方も多いのではないでしょうか。
山猿:この曲を作った時のことはすごく覚えています。
秋のすごく夜風が気持ちいい夜で、お風呂上がりに近所をお散歩してたんですよ。
その時に見たお月様がすごく綺麗でした。
そうしたら、ふと父が、僕の小さい頃に言った言葉が脳裏をよぎったんですよ。「男の子は女の子にはちゃんと優しくしてあげなさい。好きな子ならなおさら守ってあげなさい」って。今はその父は天国へ行ってしまったんですが、なぜかその時の言葉を思い出して…。
そして思ったんです。自分が50年後生きていたら何してんのかな?って。今、そばにいてくれる家族、友達、周りの大切な人達にちゃんとありがとうって伝えられてるかな?って。
人間はすごく恥ずかしがり屋だから、毎日ちゃんと伝えている様で大切な人達にありがとうって相手の目を見て伝えられてないなって思ってこの曲ができました。生きてるだけなのにため息をついちゃうこんな世の中で、この曲を聴いてくれた人達が誰かに愛されて誰かを愛してくれたらいいなと思います。
ーー『あいことば9』のジャケットには、今までの『あいことば』シリーズと『えんむすび』のジャケットが散りばめられるという、集大成のようなデザインになっています。今回はどうしてこのようなデザインにされようと思ったのか伺えますか?
山猿:実は2年前くらいに自分のアパレルブランド(BLACK×BOX)と(WHITE×BOX)という2つのブランドを立ち上げたんです。
昔から服が好きだったんですが、小さい頃、実は家がめちゃくちゃ貧乏で。大人になって自分の着たい服、自分達がデザインした好きな服を着たいなと思ったのが、アパレルブランドを立ち上げた理由です。いつか大人になって秘密基地を作るのも夢で、それが実現したので、今回のアルバムではそのお店(BLACK×BOX)の内観をそのまま絵にしてジャケットにしました。
ファンのみんなが誰でも遊びに来られる、僕にとっても大切な場所なので、今回のアルバム『あいことば9』はまさに山猿の全てが詰まった集大成の様な作品になったのかなと思っています。
◆コロナ禍でも“1番そばにいてくれた”ファンたちに感謝
ーー『あいことば9』リリースイベント インストアライブも開催されました!終えられた感想をお聞かせください。
山猿:もう、ファンのみんなに会えて幸せです。
「言葉になんねーくらい嬉しい」ってこんな感じなんだなってくらいみんなと会えて嬉しかったです。
ーーそんな多忙な日々の癒しや活力になっているものはなんですか?
山猿:やっぱりファンの方々からのSNSでのDMですかね?(笑)
コロナ禍でライブもできずにファンのみんなに会えなかった時、全国のみんなから沢山のメッセージをいただいて本当に勇気付けられました。僕はみんなから届くDMを出来る限り毎日読むようにしていて、本当にいろんな方からDMをいただくんです。年齢も内容も様々で。
なんでもない世間話だったり、恋の話だったり、悩み相談だったり…。この数年間ライブもできなくて寂しかった時、1番そばにいてくれたのはファンの皆さんでした。
ーー今年も残りわずかになってきました。2023年はどんな年にしたいですか?
山猿:来年は、いや、来年こそはバチバチ全国でライブがしたいですね(笑)。もうかなりMAXなくらい休んだので、充電満タンって感じです!!
新曲もこの数年でかなりの数ができたので早くみんなに聴いてほしいですね。
ーーインタビューをご覧の皆様へメッセージをお願いします。
山猿:全国の山猿ファミリーへ
来年こそはあなたの街に必ず会いに行きます!
ツアーもあるかも?なのでぜひその時は元気なお猿に会いにきてください。