BE:FIRSTプロデュースでも話題のRyosuke “Dr.R” Sakai、SKY-HI・OdAkEiら仲間たちとの楽曲制作秘話を語る

2021.12.21 18:00
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Ryosuke “Dr.R” Sakai

東京を拠点にワールドワイドに活動し、ちゃんみなさん・miletさん・AK-69さんなど、さまざまなアーティストのサウンドを手がける音楽プロデューサーのRyosuke “Dr.R” Sakaiさん。

今年、SKY-HIさんが主催したボーイズグループオーディション「THE FIRST」から誕生した、7人組ダンス&ボーカルユニット「BE:FIRST」のデビューシングル『Gifted.』のプロデュースも話題となりました。

そんなRyosuke “Dr.R” Sakaiさんに、BE:FIRSTのプロデュースに関するエピソードや、ご自身が主催するレーベルMNNFのアーティストたちとの楽曲制作秘話、そして音楽に対する思いなどを伺いました。
 
ーー11月にリリースされたBE:FIRSTのデビューシングル『Gifted.』が話題作となりました。どのような経緯でプロデュースすることになったのでしょうか。
 
BE:FIRSTが誕生したSKY-HI主催のオーディション”THE FIRST”のテーマ曲SKY-HI / To The Firstをプロデュースさせて頂いたのですが、ボーイズグループのデビュー曲をまた一緒に作りたい、とSKY-HIからオファーを頂きました。

新しく誕生させるボーイズグループへの彼の意気込みも分かっていましたし、これから日本音楽の新たな時代を切り拓くであろう若い才能達の曲を作ることは、勝手ながら僕自身の役目でもあると思っていましたので、快諾させて頂きました。
 
ーー『Gifted.』の作詞はSKY-HIさんでしたが、楽曲を作り上げるに当たってSKY-HIさんからの要望などはありましたか?
 
SKY-HIからは、「媚びない楽曲」「登場感のある曲」といったキーワードが当初から出ていました。

今から誕生させる新しいグループは最初から海外も視野に入れるべきだ、という共通認識が僕にも彼にも強くあり、その部分も意識しながらセッション形式で作り上げた楽曲です。

曲作りのセッションには洋楽的なメロディ構築がとても上手いCarlo Redlにも参加してもらっています。Carloは僕のレーベルMNNF(モノノフ)から来年デビュー予定です。
 
ーーBE:FIRSTメンバーの印象や思い出のエピソードがありましたらお聞かせください。
 
本人達とは『Gifted.』のレコーディング時に初めてお会いしたのですが、メンバー同士とても仲が良いので、非常にリラックスした状態でレコーディングが出来ました。

歌に関しては、ひとりひとりが違ったベクトルの強い個性を持っているなと、レコーディングの際に改めて実感しました。ともすれば、バラバラになってしまいそうなくらいの個性の集まりなのですが、7人が絶妙なバランスで際立つことが出来ています。SKY-HIの人選力は本当にすごいなと感じましたね。

あと、僕のスタジオは強烈なスピーカーシステムを導入しているので「耳で音楽を聴く」というよりは「身体で音楽を体感する」、という状態で音楽に触れられるのですが、メンバー達もその部分をとても楽しんでいたのが印象的でした。
 
ーーHiRAPARKさんとの共同プロデュースとなる、OdAkEi x TEMBA『I Don’t Care』も12月3日にリリースされました。MNNF RCRDS所属メンバー4人での楽曲となりましたが、どのような経緯でこのタッグチームが生まれたのでしょうか?
 
僕は7年間くらい海外での活動を本格的にやってきたのですが、その間、全米チャートのトップ10に入ったり、名門メジャーレーベルとアジア人初のプロデューサー契約をしたり、色々と道を開拓してきました。

海外アーティストのプロデュースも最高に楽しいのですが、ふつふつと湧いてきたのが、自分達の仲間を日本から世界に送り出したいな、という夢だったんです。

そんな中、OdAkEiやHiRAPARKに出会ったり、TEMBAがそれまでに所属していたレーベルから離れたり、様々な出来事が重なって現在のクルーがMNNFに集結しました。MNNFは全員クリエイターとしてずば抜けて優秀ですし、もはや家族のような存在です。
 
ーーHiRAPARKさんとの共同プロデュースはどのように進められましたか?何か印象深いエピソードがあれば教えてください。
 
僕がトラックのリフや楽曲展開などを構築し、HiRAPARKがそこにビートを組み合わせていく形で進めて行きました。

HiRAPARKとは彼の作品作りの時など頻繁に共同作業しているので、お互いの強みを上手く出して楽曲に落とし込めたかなと思っています。

僕は海外でも他のプロデューサーと曲作りをすることも多いので、相手の強みや自分の強みを即座に判断して役割分担を的確に判断することに慣れていますし、今回はMNNFファミリーのHiRAPARKとのプロデュースだったので、完全に阿吽の呼吸で制作を進めることができました。
 
ーー4人でのソングライティングキャンプから生まれた楽曲とのことですが、この時の印象的な思い出などお聞かせください。
 
今年の8月に札幌の芸森スタジオでMNNF初となる2泊3日のソングライティングキャンプを行いました。

実は毎年のようにMs.OOJAチームと制作合宿をしているスタジオなんですが、雰囲気や居心地が最高の場所なので自分のレーベルでも合宿をさせて頂きました。

初日にトラックやメロディといった全体的な方向性を決め、二日目に歌詞や細かい部分の詰め作業、そして東京に戻ってきてから僕のスタジオで最終的なレコーディングを行なっています。

芸森スタジオは自然豊かな場所にあるので、本当に音楽のみに集中できるんです。シェフの方が毎食、地元の食材を使った身体に優しい食事を作ってくれたり、バーベキューもできたりと音楽以外の部分でも気持ちがリフレッシュできる素敵なスタジオです。

ソングライティングキャンプに密着した三部作の動画もMNNFオフィシャルYouTubeで公開していますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。
 
ーーDr.Ryo名義でアーティストプロジェクトもされています。プロデュース業とアーティスト活動、音楽に携わる時の意識の違いはありますか?
 
そうですね、やはりそれぞれに対して意識は大きく変わります。

アーティストとしては「個」をどのように打ち出していくのかという事に専念しますし、プロデュース業としてはそう言った「個」を持つアーティストをどのようにマスに見せていくべきなのか、というアプローチをしていきます。

この両方を経験することにより、『音楽』というものの本質に対しての理解度が格段に深まってきたなと最近は実感しています。

音楽を世に送り出す、という点で両者は表裏一体のような存在です。この経験はレーベルの運営やMNNFのアーティスト達に対しても非常にプラスに働いています。
 
ーーアーティスト、プロデューサー、レーベル主催など、ご多忙かと思いますが、活動における1番のモチベーションはなんでしょうか?
 
単純に音楽が大好きなだけなんだと思います。

レーベルをスタートさせてよく思いますが、音楽を作ることだけではなく、例えばファッションだったり、映像だったり、音楽周辺のカルチャーにまみれているのが単純に幸せなんですね。普通に音楽フリークでもあるので音楽を聴くのも勿論大好きですし、音楽にまつわる全てが好きというか。

今回MNNFからリリースした新曲『I Don’t Care』のMusic Videoでは僕もカメラを回したりしましたが、何かしらのクリエイティブな事に携わっている時間が一番幸せですね。多忙ではありますが、最高に充実した毎日です。
 
ーーここ2年のコロナ禍で音楽活動や制作状況に変化もあったかと思います。残念だと思った変化、また良かったと思う変化はありましたか?
 
やはり、海外に簡単には行けなくなった、という点が一番大きかったですね。

この7年ほど、年の4分の1程度はLAにいましたし他の国々へも頻繁に遠征していたので、日本国内にロックされている状態がもどかしくもありました。

ただ、逆の捉え方をすると、その状況が新鮮でもありました。

コロナ禍は将来への見通しをさらにじっくり考える良い機会であったとも言えます。日本国内にいながらも世界に情報発信は出来る時代ですし、だったらそれを今始めてしまおう、という事で自身のレーベルを立ち上げた部分も大きいです。

今後もまだまだ予断を許さない状況は続くと思いますが、その時々の状況に応じ、音楽という部分を通じて良質なエンターテイメントを世界に発信して行きたいなと心を新たにしております。
 
ーー2021年を振り返ってみるとどんな年でしたか?
 
2021年は自身のレーベルMNNFを本格始動させたことが一番大きなトピックでした。

洋服やカセットテープ、ヘッドフォンなどのマーチャン関連の製造や流通拠点の確保など、全く新しいことも体験しましたし、そこも含めてファンの方々と音楽と我々とをどう結びつけていくのがベストなのか、という所まで含めて思慮するようになったのは自分にとっても大きな前進でした。

まだまだ、改善すべきポイントも山積みですし、完全にインディペンデントな形で動いているので、険しい道のりであることも覚悟しています。

ただ、そこで得た経験は、音楽プロデュース業の方でも活かされていくでしょうし、この経験を糧にここから自分がどのように進化していけるのかを自分でも楽しみにしています。
 
ーー今後、仕事においてチャレンジしてみたいことや目標はありますか?
 
当面はMNNFを成長させていくことに尽力していきたいなと思っています。

新たなアーティストも加わる予定ですので、MNNFのアーティストが一同に会するフェスみたいのものも是非やってみたいですね。国内のみならず活動の場をどんどん広げて、海外でもライブをできるようトライしていきたいです。

音楽プロデュース業の方も変わらず、自分の信念を貫いた楽曲をアーティストの方々と作っていければなと思っております。

Dr.Ryo名義のアーティストプロジェクトに関しても、そろそろ新曲を作りたいなと思っているところなので、まだまだアクセル全開で突っ走ります。

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