山猿が明かした、“全身全霊を込めた”新曲『旅立ち feat.HIPPY』制作秘話と熱い思いとは?
2月18日にLINE MUSIC 独占先行配信、19日には全配信サイトから配信が開始されたこの曲は、未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けながらも、卒業や就職を控え、夢に向かって新たな世界に羽ばたこうとしている若者の背中を応援したいーそんな思いから作られた応援ソング。
また「学生生活の思い出にして欲しい」という山猿さんの願いから、ジャケットデザインを今年卒業を控える学生から募った他、MVの監督、スタイリスト等の全てを今年卒業する全国の学生達が手掛けたと言います。
今回は、そんな熱い思いの詰まった楽曲について、山猿さんが質問に答えてくれました。
ー今回、新曲『旅立ち』をリリースされるに至った経緯を教えていただけますか?
コロナ禍で思い通りに行かない日々を過ごすこの世の中で、僕たちミュージシャンに何ができるか常に模索している日々を過ごしていたところ、SNS等で全国の学生さんから「文化祭や体育祭、卒業式など仲間たちとの思い出を残せなかったので、ライブに来てください」とか「このまま卒業するのが心残りです。応援歌を作ってください!」など、メッセージが届いていて。
それなら音楽でその子たちを勇気付けられたらいいなと思いこの曲を作りました。この時代を乗り切る同志として、今を生きる若者の旅立ちと挑戦を応援できるような曲にできたらなって考えていました。
ー実際に“旅立ち”を迎える人たちからの声を聞いて作られた楽曲なんですね。そんなこの楽曲のフィーチャリングアーティストには、HIPPYさんを迎えています。その理由や経緯なども教えてください。
HIPPYさんは、代表曲でもある『君に捧げる応援歌』をはじめ多くの応援歌を歌っていて、全国各地の学生さんに対して歌を届けている動画が話題になっていたり、何よりHIPPYさんの魂と喉を鳴らしまくるスタイルに惹かれていました。
今回、このテーマの楽曲を作るにあたり「ぜひ一緒に歌いたい!」と思った瞬間、ダメ元で自分から連絡しちゃいました。
と言っても連絡先は知らないので、失礼ながら見てもらえるかも分からないSNSからメッセージを送って「直接電話させてください!」と直談判したんです。突然の連絡にもかかわらず快く受け入れてくれて、とても嬉しかったですね。
広島在住のHIPPYさん、福島在住の山猿。ローカル叩き上げな僕らが全国に届ける音楽って、なんか夢があるなーって思いません?(笑)
ー確かに夢が詰まっていますね!楽曲のタイトルがとてもストレートですが、どんな曲に仕上がりましたか?込めた思いなども聞かせていただければと思います。
今思っている事、感じている言葉たちがそのままメロディーになったなって感じています。
今を戦う学生さんへ向けて、そんな気持ちで挑んだものの「今を戦っているのは俺たちも同じだよな、みんなそうだよな」そんな溜め込んだ気持ちを大放出したような激情メロディーになりました。
僕のファンの子たちはライブ中のMCを聞いて知ってくれている子もいると思うんですが、僕自身、学生時代に全力で青春する事が出来ず、友達とうまく話せなかったり、笑えなかったり、もったいない学生生活を送っていたなと思います。だからこそ、現役の学生のみんなにとって、学校って、友達って、仲間って、本当に大切な物だし、人生で一度しかないかけがえのない瞬間だと思っています。この曲がみんなの大切な思い出の1ページになってくれたら嬉しいね、とHIPPYさんと話しながら一緒に作りました。
でも、最後はみんなと会える日を願って、シンガロングなところも作って。いつかみんなで歌えるような希望を込めた曲にもなっています。
ー本当に1日も早く皆さんが一緒に歌える日が来るといいですね。そして、今回の曲では、ジャケットのデザインを今年卒業を控える学生から募ったり、MVの監督、スタイリスト等の全てを今年卒業する全国の学生さんたちが手掛けるなど、学生さんたちの思い出作りにも積極的に取り組まれたとのことですが、どのような思いから実現に至ったのでしょう?
学生時代の集大成として、これまで積み上げてきたことが表現出来ず、活動する場もなくなってしまい、悲しそうな学生の姿をニュースなどで見ました。
今回の曲のテーマが旅立ちなので、今年卒業する学生さんと一緒に制作出来たら、楽しい思い出の一つとなって、これからの人生を明るく歩んでいってもらえないかな…と思ったのがきっかけです。僕たち自身も、その分しっかり届けないと!って気も引き締まりました(笑)。
ただ何より、生き生きと制作してくれる学生さんと作品たちがとても愛しく感じましたね。
ー実際にやられてみて、どんな感想を持たれましたか?また、実際に参加した学生さん達からはどんな声があったのでしょうか?
想像以上に応募があり、みんな溜まっているんだなあって思いましたし、何よりこの企画にたくさんの卒業生が興味を示してくれたことが嬉しかったです。「このような企画を考えてくれて感謝です」という内容のメールをもらって、今まで悔しいこともあっただろうに、“ありがとう”って言える彼らをたくましく感じました。
ーきっと参加した学生さんたちの心の中にずっと残り続ける素敵な思い出になったんでしょうね。そして、MVには、TikTokなどで活躍するグループ・アイルトンモカさんが出演しています。どんな経緯で彼らが出演することになったのでしょうか。また、どんなMVに仕上がりましたか?
アイルトンモカが本当に大好きで、寝る前によく動画を見ていたんです。
リアルな地元の友達で結成されたグループで、誰が見てもわかりやすい友情ネタを投稿しているのが、今回の曲にドンピシャだと感じてオファーさせていただきました。もちろん、HIPPYさんへのオファー同様、僕が直接連絡しました(笑)。
撮影もずっと一緒にいて、カメラが回っていないときでも本当にメンバー同士の仲が良くて。このグループに出演してもらえて本当によかったです!僕も山猿スタッフもみんなが自然と笑顔になりました。
そして、僕たちの想像を超える素晴らしい表現をしてくれました。ほとんどアドリブみたいですが(笑)。
ー山猿さんにとって思い出深い“旅立ち”のエピソードは何かありますでしょうか?その際に、背中を押された楽曲などがあれば教えてください。
東日本大震災から10年になるこの年だからこそ改めて振り返るのですが、いろんな旅立ちを経験してきたなって感じています。思い出したくないこともありますが、一日一日、明日を信じて歩んできた今日という日が大事なのだと思わせてくれました。
背中を押してくれる曲は『上を向いて歩こう』ですかね。一人ぽっちの夜〜♪ってフレーズがありますが、僕たちは一人ではないのだと感じながら歌わせてもらっています。
ー最後に今年、様々な“旅立ち”を迎えようとしている方々にメッセージをお願いします。
思うようにいかない日々が続いている今、悔しい思いや納得いかないことがたくさんあったと思います。その感情を、大きな優しさに変えて今出来ること、そして今があることの素晴らしさを皆さんと共に楽しみながら歩んでいけたらと思っています。
そして、全身全霊を込めたこの曲『旅立ち feat.HIPPY』を、これから卒業や新たな旅立ちを迎える方、様々な旅立ちを経験してきた全ての方々にぜひ聴いていただきたいと思っています。
ーありがとうございました!