サッカー日本代表グッズが普段使いに広がる理由 「おさるのジョージ」コラボから見るW杯前の応援文化

2026.5.29 17:30

サッカー日本代表グッズの楽しみ方が、少しずつ変わってきている。

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5月25日、「おさるのジョージ」とサッカー日本代表による特別企画グッズ第2弾が発表された。ラインナップは、ファンハットやマフラータオルといった応援アイテムに加え、ぬいぐるみ、ペンケースポーチ、ボールペン、メモ帳、マウスパッドなどを含む全23種。サッカー観戦の場で使うものだけではなく、学校や職場、自宅でも楽しめるアイテムがそろっている。

これまでサッカー日本代表のグッズといえば、ユニフォームやタオルマフラーのように、試合の日に身につけるものという印象が強かった。もちろん、スタジアムを青く染めるユニフォームや、得点後に掲げるタオルは、応援の熱を高める大切な存在である。ただ、今回の「おさるのジョージ」コラボを見ると、日本代表グッズは試合の日だけのものから、日常の中に置いておけるものへと広がっていることがわかる。

たとえば、ペンケースやボールペンは普段使いしやすいし、ぬいぐるみやクッションは部屋に飾ることができるし、マウスパッドであれば仕事中にも目に入る。そこにあるのは、「日本代表を応援している」と強く打ち出すというよりも、好きなキャラクターを通して、自然に代表カラーやサッカーの空気に触れる楽しさだ。サッカーに詳しい人だけではなく、キャラクターが好きな人、かわいい雑貨が好きな人にも届く。応援グッズの入口が、かなり広がっているということだろう。

【街で着る日本代表ユニフォーム、応援は日常の中へ】

「おさるのジョージ」×サッカー日本代表 特別企画グッズ
「おさるのジョージ」×サッカー日本代表 特別企画グッズ

最近では、ニュース番組でも都内のサッカーショップで日本代表ユニフォームを買い求める人の姿が紹介されていた。なかでも注目されているのが、白を基調にしたアウェイユニフォームだ。代表ユニフォームといえば、スタジアムやスポーツバーで着る応援服という印象が強い。しかし、白ベースのデザインであれば普段の服にも取り入れやすく、デニムやスカート、スニーカーとも合わせやすい。応援のために着る服が、街中でも楽しめるファッションアイテムになりつつある。

近年では、サッカーユニフォームを普段のファッションに取り入れる「ブロークコア」も注目を集めている。ユニフォームをきれいに着こなすというより、少しラフに、街着の一部として合わせるスタイルだ。サッカーを観る人だけではなく、ファッションの文脈からユニフォームを選ぶ人もいる。好きな選手の背番号や名前で選ぶ楽しさに加え、デザインや色味で選ぶ楽しさも生まれている。

もともとサッカー日本代表のユニフォームは、スタジアムの客席を青く染め、サポーター同士の一体感を生むアイテムだった。その役割はいまも変わらない。一方で、試合のない日に着る、街を歩く時に使う、SNSに投稿する時のコーディネートに取り入れるといった楽しみ方も広がっている。ユニフォームは応援の象徴でありながら、日常に持ち出せるアイテムにもなっている。

街ぐるみの応援企画も、こうした流れを後押ししている。東京・渋谷のMIYASHITA PARKでは、サッカー日本代表を応援する企画が展開される。フォトスポットやパブリックビューイング、体験型のコンテンツなどを通して、試合を観る前から代表を身近に感じられる場が作られている。ユニフォームを着て街へ出かけること、グッズを手に写真を撮ること、イベントを通して代表に触れること。その一つひとつが、ワールドカップへ向けた空気を少しずつ作っている。

【グッズ、イベント、キャンペーンで広がる応援の入口】

アディダスのグローバルキャンペーン
アディダスのグローバルキャンペーン

ここで大きいのは、日本代表の応援が「試合を見ること」だけに限られていない点だ。MIYASHITA PARKのような街中の企画では、フォトスポットで写真を撮ったり、グッズを見たり、フードを楽しんだりしながら、サッカー日本代表に触れることができる。スタジアムに足を運ぶ人だけではなく、買い物や友人との外出の中で、自然と代表チームの空気を感じられる場が生まれている。

アディダスが現在展開している、サッカーを「自由に楽しむ気持ち」をテーマにしたグローバルキャンペーンも、そうした流れと重なる。競技としてのサッカーだけではなく、仲間と遊ぶこと、街でボールに触れること、好きなウェアを着ることまで含めて、サッカーを楽しむ姿を打ち出している。ユニフォームや関連グッズが日常に入り込んでいく動きは、ブランド側の発信からも見えてくる。

こうした動きを並べると、ワールドカップ前の盛り上がりは以前よりも幅広くなっていることがわかる。熱心なサポーターはユニフォームを着て試合を観る。ライト層はキャラクターコラボの雑貨を手に取る。ファッション好きはユニフォームを街着として取り入れる。家族連れや友人同士は、商業施設の応援イベントに足を運ぶ。入り口はそれぞれ違っていても、日本代表を楽しむ方法が増えていることは確かだ。

【日本代表グッズが広げる、応援の新しい距離感】

日本代表グッズが日常の中へ広がっていることは、応援の熱が弱くなったということではない。むしろ、応援の形が増えていると見るべきだろう。

スタジアムで声を出して応援する人もいれば、ユニフォームを着て気持ちを表す人もいる。キャラクターグッズを持つことで、さりげなく日本代表を楽しむ人もいる。サッカーに詳しくなくても、「かわいい」「使ってみたい」「着てみたい」という気持ちから入ることができる。そうした入口の広がりが、ワールドカップ前の盛り上がりをより大きなものにしている。

ワールドカップは、試合が始まってから盛り上がるものではなくなっている。開幕前から店頭にグッズが並び、街にフォトスポットができ、ユニフォームが普段着として選ばれる。その一つひとつが、本番に向けた空気を作っていく。サッカー日本代表を応援する文化は、スタジアムやテレビの前だけでなく、街へ、部屋へ、バッグの中へと広がっている。

「おさるのジョージ」とのコラボグッズは、その変化をわかりやすく見せるものだ。応援グッズは、試合の日だけに使う特別なものから、日常の中で日本代表を感じられるものへと変わりつつある。ワールドカップを前に広がるこうした動きは、サッカーが競技としてだけでなく、ファッションや雑貨、街での体験としても楽しまれる時代に入っていることを示しているのではないだろうか。

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