『NU Festival』が提案した街中×音楽の可能性。TAKANAWA GATEWAY CITYが音楽に満たされる

2026.7.14 11:30

6月26日(金)~28日の3日間、国内最大級の街「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」および「高輪ゲートウェイ駅」を舞台に、『NU Festival』が開催された。

NU Festival』は、世界最前線のミュージック、アート、テクノロジーが交差する都市型フェスティバル。街のさまざまな空間を横断しながら、ライブ、インスタレーション、テクノロジー体験、トークなど多彩なプログラムが展開された。

本記事では、高輪ゲートウェイ駅のテラスで行われた『NU Station』、そして駅前で実施された『NU Park』という2つのプログラムに注目。レポートを交えながら、“街の空間をダンスフロアにする”という興味深い試みを紐解いていきたい。

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【駅と街が一体となって魅力を発信】

今年3月28日、高輪ゲートウェイ駅前にグランドオープンしたTAKANAWA GATEWAY CITY。「ひと、自然、テクノロジーをつなぎ、世界で最も生命力が溢れる街へ。」というコンセプトを掲げ、“エキマチ一体のまちづくり”を進めている。広域交通結節機能を担う品川駅、都心ターミナル駅へのアクセスに優れる高輪ゲートウェイ駅、東京の地下鉄ネットワークや羽田空港へのアクセスに優れた泉岳寺駅が連携することで、人々が集まる国際交流拠点を形成するねらいだ。

そんなTAKANAWA GATEWAY CITYを舞台に行われた『NU Festival』は、駅と街が一体となって魅力を発信していくという点でリンクしている。高輪ゲートウェイ駅の南改札外3Fテラスで行われたDJイベント『NU Station』は、J-WAVEの人気音楽番組がキュレーションしたDJがプレイするというもの。そして高輪ゲートウェイ駅前の「Gateway Park」で実施された「NU Park」は、日替わりで著名なDJが登場し、パフォーマンスを披露するというものだ。どちらも「公共空間にイベント・ライブを持ち込む」という試みであり、入場は無料。当日興味を持った人でもすぐに参加できるというシームレスな流れを作り出していた。

【駅×DJが意外なシナジーを生む『NU Station』】

Junpei Kawahata / NU Festival
Junpei Kawahata / NU Festival

『NU Station』が行われた高輪ゲートウェイ駅のテラスは、電車が発着する線路を見下ろせるような場所に位置している。設置されたDJブースの裏手にはすぐ駅の構内が広がっているという、異色の空間だ。当日、DJのSAKURAがプレイしている時間帯に会場を訪れると、客層は想像していたよりも広く感じられた。最前列でリズムに合わせて小気味よくステップを踏んでいる男性がいれば、ドリンクを片手に踊っている若者たち、子供を抱っこして体を揺らしている親子連れもいる。駅という公共空間を舞台にしているからこそ、こうして多様な人々が集ったのかもしれない。

Junpei Kawahata / NU Festival
Junpei Kawahata / NU Festival

筆者が特に面白いと思ったのは、DJが流す音楽と駅という場所で生まれる音がうまく調和していたことだ。普通は、音楽を聴いている時に関係のない音が流れてきたら、集中を乱す騒音のように感じられてしまうだろう。しかし、この空間においては、発車メロディ、構内に流れる駅員のアナウンス、電車の走行音といった“駅ならではの音”が、DJが作り出すビートに乗って、あたかもその音楽を構成する要素の一つのように感じられた瞬間が多々あった。これは『NU Station』に来なければ得られることのできなかった気付きだ。

Junpei Kawahata / NU Festival
Junpei Kawahata / NU Festival

時間が経つにつれて、DJブースの前に集まる人も少しずつ増えていった。筆者が訪れたのは日曜日だったためか、休日にTAKANAWA GATEWAY CITYにやってきたと思しき家族連れが何組かいたことも印象的だった。初めは少し離れて遠巻きにDJブースを眺めていた人も、やがて音楽に誘われるように輪の中に入っていき、楽しげに踊り始める。1日で多くの人が行き交う駅と、誰でも自由に、思い思いのスタイルで楽しめるDJイベントの意外な相性の良さを知ることができた貴重な経験だった。

Junpei Kawahata / NU Festival
Junpei Kawahata / NU Festival

【高輪ゲートウェイ駅前がフェス会場になった『NU Park』】

『NU Park』が開催されたのは、高輪ゲートウェイ駅の改札を出てすぐの場所にある「Gateway Park」だ。背後には、国際交流拠点の象徴となるツインタワー「THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH」がそびえ立ち、フードを販売するキッチンカーも出ている開放的な広場が、この日はフェス会場に変化。プログラム開始時刻になるとDJブースの前にはあっという間に人が集まり、待っていましたとばかりに踊り始めた。

Junpei Kawahata / NU Festival
Junpei Kawahata / NU Festival

筆者が参加した時間は、DJのSatoshi OtsukiとVJ(ビジュアルジョッキー)のMISOLAがコラボパフォーマンスを披露。Satoshi Otsukiが繰り出すダンサブルなビートに、MISOLAが手掛けるクールな映像演出が絡み合い、スモークも焚かれ、瞬く間に没入感のある空間が作り上げられていく。あいにく当日は小雨が降っていたが、人々には悪天候をものともしない熱気が漂っていた。体が濡れるのも気にせず体を揺らし、音楽の盛り上がりに合わせて歓声をあげる。一体感とエネルギーに満ちたその様子は、まさしくフェスと呼ぶにふさわしいものだった。

Junpei Kawahata / NU Festival
Junpei Kawahata / NU Festival

会場に集まった観客の中には外国人の姿も多く見られ、グローバルな交流拠点を目指すTAKANAWA GATEWAY CITYという立地にも合っていたように思う。高輪ゲートウェイ駅の改札を出るとすぐに音が聞こえ、DJブースも見えるという設計にしていることで、この日『NU Park』が行われることを知らなかったが、興味を惹かれて足を止めたという人も恐らくいたことだろう。ナイトクラブやライブハウスといった密な会場とはまた違った魅力を持つ、ひらかれたダンスフロアがそこには確かにあった。

Junpei Kawahata / NU Festival
Junpei Kawahata / NU Festival

【高輪ゲートウェイ×音楽が生み出す人々のつながり】

今回の『NU Festival』以前にも、高輪ゲートウェイ駅構内ではDJによる音楽を楽しめる“エキナカDJ”イベントが不定期で開催されていた。また、TAKANAWA GATEWAY CITYのグランドオープン時には、5週間に渡り48組のアーティストが駅前の「Gateway Park」でDJプレイやライブパフォーマンスを披露するスペシャルライブも展開されており、この新しい街の中に音楽はごく自然な流れで寄り添ってきた。『NU Station』『NU Park』は人々を音楽という共通言語で緩やかに結びつける、新たな可能性に満ちた試みだと言えるかもしれない。

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