【独占】高橋李依、“Wonderland”の案内人として描いた現在地 2ndワンマンライブ「A Rie in Wonderland」で示した、アーティストとしての進化

2026.5.27 18:00

2026年5月16日(土)、カルッツかわさきホールにて、高橋李依の2ndワンマンライブ「A Rie in Wonderland」が開催された。

約3年ぶりとなるアーティスト名義でのワンマンライブ。その空白を埋めるように、この日のステージには、これまで積み重ねてきた時間と、彼女自身の“今”が余すことなく詰め込まれていた。

冒頭、オープニング映像が観客を“Wonderland”へと誘っていく。そして映像明け、「みんなー!会いたかったよー!」という声とともに高橋が登場すると、客席は一斉に総立ちに。全身白で統一されたパンツルックにツインテールという印象的なビジュアルは、幻想的な世界観をまといながらもどこか親しみやすく、この日のライブタイトルを象徴するような存在感を放っていた。

1曲目「ココロアダプタ」では、疾走感あふれるサウンドに合わせ、会場全体が今回の公演カラーである黄色のライトに包まれていく。高橋の伸びやかな歌声がホールいっぱいに広がり、ライブの幕開けにふさわしい高揚感を生み出していた。

続いて「U撃つ」では空気が一変。高橋は客席へ向けて力強くコールを煽りながら、全身からエネルギーを放出するようなパフォーマンスを展開。観客をライブ空間へ一気に巻き込んでいくような熱量で、序盤から会場のボルテージを引き上げていった。

最初のMCでは、久しぶりに再会したファンとのやり取りを楽しみながら、全員で「りえりー!」コールを行う場面もあり、終始和やかな空気感で進行。「緊張している?」と客席へ問いかける姿からは、観客との距離感の近さも感じられた。

また、“自分の中に生まれた感情を見過ごさないようにしている”という、楽曲制作に対するスタンスについても語られる。ふと湧き上がった“何だろう、この気持ち”という感覚をなかったことにせず、作品として残していくこと。その想いから楽曲を生み出していると明かし、「あの時の自分の楽曲に、今の自分が救われる瞬間がある」と真っ直ぐな言葉で伝えていた。

「不健康社会」では赤を基調とした照明がステージを染め上げ、感情を叩きつけるような歌唱が炸裂。ポップネスの中に潜む鋭さや衝動が鮮烈に浮かび上がる。続く「0のひと匙」では、疾走感のあるサウンドに乗せてどこまでも伸びていく歌声が印象的で、会場を爽快感で満たしていった。

続くMCでは、「A Rie in Wonderland」の意味に気付いていますか?と客席へ呼びかけながら、この日の衣装コンセプトについて説明。今回のテーマは、『不思議の国のアリス』に登場する“うさぎ”だったという。しかし客席の反応を見た高橋は、「あっ!微妙だこれ!伝わってない!言って良かった!」と驚きながら笑いを誘う場面も。「今日はまるっと、アーティスト高橋李依の楽曲のみをお届けします」と語り、会場からは大きな拍手が送られた。

「BABURU」では一転して柔らかな空気が広がる。観客とともに手を揺らしながら、一人ひとりの顔を確かめるように客席を見渡していた姿も印象的だった。大きなホールでありながら、“同じ空間を一緒に作っている”という感覚が自然と共有されていく。

MCでは、日々の生活の中にある“頑張ること”について、高橋李依らしい等身大の言葉で語られた。仕事や学校、試験など、それぞれの日常を過ごす中で、「靴下を履くことすら面倒くさい日もある」と笑いを交えながら話しつつ、「そんな時に今日の景色を思い出してほしい」と観客へ呼びかける場面も。“このライブを共にした仲間たちも、今頃頑張っているんだろうなと思ってもらえたら”と、「BABURU」という楽曲がこれからの日々に寄り添う存在になれば嬉しいと想いを伝えた。

さらに、「ファーストライブから3年くらい空いている。その間にはキャラソンライブもさせてもらっている。一歩ずつ、毎年1回だとか、本当に来てくれるみんなのおかげで開催できています。今日のセカンドライブも皆さんが観てきてくれたおかげです」と、感謝を真っ直ぐに伝える。その言葉からは、“アーティスト高橋李依”として再びこの場所へ帰ってきた実感と覚悟が滲んでいた。

「ひとつがいマグネティック」までを駆け抜けた後、ライブは大きな転換点を迎える。

暗転したステージで始まったのは、本公演のために書き下ろされた朗読劇。しかしそれは単なる幕間演出ではなく、“朗読”と“歌唱”をシームレスにつなぐことで物語を進行させる、極めてコンセプチュアルな構成だった。

“好奇心無敵少女”として描かれるひとりの少女が、憧れだった“青く大きな星”へ飛び込み、周囲との違和感や生きづらさに悩みながらも、自分を表現できる場所を見つけていく――そんな物語が紡がれていく。

特筆すべきは、この朗読劇が単なる幕間演出ではなかったことだ。朗読からそのまま楽曲へ接続される構成によって、物語と音楽が完全に地続きとなり、ライブ全体がひとつの作品として成立していた。

「反省会」では内省的な感情が静かに滲み出し、「共感されなくてもいいじゃない」では、“全部が全部、共感されなくたっていい”というメッセージが強い説得力を持って響き渡る。さらに初披露となった「ジオード」では、新曲を届ける喜びを全身で噛み締めるようなパフォーマンスを見せていた。

MCでは、今回のライブで印象的に用いられていた“青”と“黄色”という色についても言及。「私にとってのワンダーランドって、この星なのかもしれない」と語り、この世界で生きていくことや、“頑張る理由を改めて見つけた”という想いを明かしていく。

また、「ジオード」の楽曲提供を手掛けたのが、アニメ『からかい上手の高木さん』でも縁のある大原ゆい子であることも発表され、会場からは歓声が上がった。

「ハウメニィ」では、観客一人ひとりへ語りかけるような柔らかくも芯のある歌声がホール全体を包み込む。続く「カメレオンシンドローム」では、“自分らしさとは何か”というライブ全体のテーマとも重なるように、高橋は楽曲の世界観へ深く入り込み、感情をむき出しにするようなパフォーマンスを展開。感情の輪郭が次々と塗り替わっていくようなステージングで、観客を楽曲世界へと引き込んでいった。

さらに、7月15日(水)に全5曲入りの3rd EP「黄身加熱中」をリリースすることも発表。会場は大きな歓声に包まれた。

また、アーティスト活動として新曲リリースが空いていた期間についても触れ、「もう音楽に興味がないと思われていたかもしれない」としながら、「でも、歌いたくてCDを作っちゃいました」と語る場面も。その真っ直ぐな言葉からは、空白期間の中でも変わることなく抱き続けていた、“音楽を届けたい”という想いが伝わってきた。

さらに、3rd EPリリース以降はソニーミュージック内の新レーベルへ移籍すること、新レーベルでの楽曲制作も進行中であることが発表されると、客席からは祝福のような拍手が広がる。高橋は何度も客席へ向けて感謝を伝えながら、“2部開幕”の夢として「トロッコに乗りたい!」と笑顔で掲げ、会場は温かな笑いに包まれていた。

本編ラストを飾った「Re:You」では、再び会場全体が黄色の光に包まれる。高橋は客席をゆっくり見渡しながら何度も手を振り、未来へ向かっていくような晴れやかな笑顔を浮かべていた。そして最後は、感情をまっすぐ乗せた「ありがとうー!」という言葉で本編を締めくくる。

鳴り止まないアンコールに応えて再び登場した高橋は、「みんなー! アンコールありがとう!まだまだ遊び足りない??」と元気いっぱいに呼びかける。「最つよワタシイズム」ではタオルを振り回しながら観客と一緒に可愛らしい振り付けを楽しみ、ステージ全体を駆け回りながら一体感を生み出していった。

そしてラストの「アオハルインクルージョン」では、多幸感に満ちた空気が会場を包み込み、“Wonderland”の旅は温かな余韻の中で幕を閉じた。

音楽、朗読、そしてライブ空間そのものを横断しながら作り上げられた「A Rie in Wonderland」。それは、“アーティスト”という言葉だけでは語り尽くせない、ひとりの表現者としての現在地を示した公演だった。

観客を“Wonderland”へ導く案内人としてステージに立った高橋李依は、この夜、新たな夢の入口を確かに見せてくれたのである。

【公演概要】

高橋李依 2ndワンマンライブ「A Rie in Wonderland」
会場:カルッツかわさきホール
日時:2026年5月16日(土)

出演者:高橋李依

バンドメンバー:
キーボード・バンマス モチヅキヤスノリ
ドラム 北村望
ベース 伊藤千明
ギター 芳賀義彦

【セットリスト】
01 ココロアダプタ
02 U撃つ
03 不健康社会
04 0のひと匙
05 BABURU
06 ひとつがいマグネティック
07 反省会
08 共感されなくてもいいじゃない
09 ジオード
10 ハウメニィ
11 カメレオンシンドローム
12 Re:You
13 最つよワタシイズム
14 アオハルインクルージョン

【リリース情報】

タイトル:黄身加熱中
発売日:2026年7月15日(水)
価格:¥2,750(税込)
品番:LLCS-00006

収録内容:
M1:Re:You/作詞:高橋李依 作曲:Fuzio、ニッポンコウジ 編曲:ニッポンコウジ
M2:ココロアダプタ/作詞:ホリイモマ 作曲・編曲:粕谷幸史朗
M3:ジオード/作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:吉田穣
M4:痛み入ります/作詞:田仲圭太 作曲:田仲圭太、宮崎梧郎 編曲:宮崎梧郎
M5:ひだまり/作詞・作曲:小玉ひかり 編曲:Naoki Itai
※M4:6月17日(水)配信開始 M5:7月15日(水)配信開始

※宮崎の「崎」は立つ崎

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