ryo (supercell)15周年記念オーケストラコンサートをパシフィコ横浜で開催!大阪追加公演発表も

2024.7.2 12:25
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ryo (supercell)15周年記念オーケストラコンサート

株式会社インクストゥエンターは、ryo (supercell)のデビュー15周年を記念した、初となるフルオーケストラコンサートを、6月30日にパシフィコ横浜・国立大ホールで開催した。

数々のアーティストへの楽曲提供や、バーチャルアーティストの始祖とも呼べる「EGOIST」の総合プロデュース。そして、ボカロPとして「初音ミク」をボーカルに迎え、ヒット曲をリリースしてきたryo (supercell)が制作した楽曲の数々を、指揮の井村誠貴と東京フィルハーモニー交響楽団が演奏する、組曲形式で約2時間半の公演。

同時期にボカロPとして活動していた筆者、名前は伏せるが「とあるボカロP」が今回本公演を聴いて・観て、感じたことをレポートとして寄稿させていただくことになった。

注釈として、今後に控える公演のネタバレ防止のため曲名を伏せる事をご容赦いただきたい。

「今日という日が皆様の思い出になり、いつか必要となる力になってくれたら幸いです」

梅雨に入ってしばらく経った少し蒸し暑い2024年6月30日、天気は曇り、パシフィコ横浜 国立大ホール。コンサートパンフレットを開くと、ryoさんは僕らにそんなメッセージをくれた。ryoさんが今回のために大切に紡いだであろうメッセージに想いを馳せていると、オーケストラのチューニングが始まり、ゆっくりと照明が変わった後、コンサートが始まった。

開幕から圧倒された、1曲目はEGOISTの”あの”楽曲!

演奏されはじめると、客席からは息を呑む音が聞こえた。筆者も「マジか!1曲目これ!?」と驚いた。その壮大さとスピード感を保ったまま、2曲目へと続いた美しさに心を奪われる。終わりの音が鳴り響くと、ゆるやかに次の曲へと移り、ryoサウンドの多彩な色を見せるように優しくロマンチックな3曲目が演奏された。

開幕の挨拶。MCの声優・大坪由佳さん登壇、そしてまさかのryoさん登壇!

3曲の演奏が終わり、大きな拍手の後、今回のコンサートでMCを務める声優・大坪由佳さんが登壇。事前告知されていなかったため、観客は驚きと共に迎えた。大坪さんの紹介後、「本日はこの方も登場してくれます!」というサプライズでryoさんが登壇。観客は大いに驚き、会場全体から大きなどよめきがあがった。大坪さんが15周年のお祝いを述べると、会場からは大きな拍手が起こり、大坪さんの「今日はお客様にどうやって楽しんでいただきたいですか?」という問いに対しryoさんが「座って聴いていただけたら」と茶目っ気溢れたコメントをすると、会場からは笑いが起こり、登場の衝撃が和らいだように感じた。

コンサートはEGOISTパートからスタート!7曲続けて堪能できる贅沢な時間。

始まったのはEGOISTパート!バリエーション豊富なEGOISTの楽曲が続けざまに演奏されていく怒涛の展開に、観客は瞬く間に“EGOISTワールド”に引き込まれた。オーケストラアレンジで更に力強さを増した楽曲たちが演奏されていく中で、筆者は特に、とある楽曲に合わせておこなわれた”赤色の照明演出”の格好良さに「斬られた」かのような衝撃を受け非常に感動した。

ひとときの休憩

開幕からここまでのめまぐるしい展開に筆者を含めて、多幸感とともに心地よい疲労感にも似た感覚を得ていたように思う。ふと客席を見ると、喜びや感動の表情溢れた観客たちが「再開後はどんな展開が待ち受けているのだろう?」と心躍らせていたように思う。元クリエイターの筆者としても、ここからのどんなテイストの曲で攻めてくるのかセットリストの展開にワクワクする。Ryoさんの構成のうまさ、妙を感じたここまでの展開であった。

コンサート再開!まだまだEGOIST!オーケストラアレンジでより力強さを増した楽曲が4曲続く。

楽団と指揮者が入場し、大きな拍手の後、一瞬ピンと張りつめた緊張感からコンサートが再開した。最初の曲は力強い楽曲で会場を圧倒していく。激情的な旋律から始まる演奏は、次第に強さを増し、燃え上がるような力強さを持った次の曲へと続いた。やがて静寂が訪れ、やわらかな風のようにゆっくりと響くフレーズが印象的な楽曲が演奏され、軽快なリズムに心が躍るような高揚感と楽しさを、筆者を含めた観客は感じたに違いない。EGOISTのダークで壮大な世界観から一転して、美しさ溢れる世界へと変わっていく展開に、筆者も「こうきたか!」と、にやりとしてしまった。

MC、再びryoさんが登壇!

再び大坪さんの呼び声と大きな拍手に迎えられ、ryoさんが登壇。「今回のセットリストにはどのような思いが込められているのでしょうか?」という問いに、「なんとなく…」と答え、会場から驚嘆と笑いの声が上がった。また「どれくらいの時間で考えたんでしょうか?」の答えにはryoさんが「15分」と答えると、会場からは驚嘆と笑いの声が。今回の会場”パシフィコ横浜”のある横浜はryoさんの生まれ育った地とのことで、ryoさんの歴史やコンサートにまつわる貴重な発言の数々を会場全体が食い入るように観て・聞いていた。

コンサートはラストスパートへ!supercell&ryo (supercell)パート

明るい爽快感に溢れるsupercellの楽曲がリズミカルに始まった。ここまでのダークな楽曲を中心に彩られた楽曲群の中に光が差し込んだような感覚。その光に向かって駆け出すように次の曲がドラマチックに始まり展開された計3曲の後、ここから一気に畳みかけるようにスリリングな4曲の“強め”ナンバーが続き、最後に楽し気で明るい少し牧歌的な雰囲気で演奏を区切った。大きな拍手の後、静けさの中満天の夏の夜空が広がるように始まったセンチメンタルさのある楽曲で会場を染めていき、その夜が明けるように続けて、大空に消えていくような繊細で優しくも寂しい旋律とサビの泣きメロを讃え、コンサート本編はしっとりと終わりを迎えた。

沸き上がるアンコール!数々の名曲目白押しのラスト30分。

会場から沸き上がった大きなアンコールの拍手に応じ再登壇した指揮井村さんと東京フィルハーモニー交響楽団が一呼吸おいて始めたのは”supercellの新たな要素”を高度なアレンジと演奏で実現した”あの”曲。アンコールの開幕に相応しい盛り上がりをみせながら展開していった演奏がシームレスに次曲へと繋がっていく流れは美しくも壮観で、改めてryo作品のメロディの良さを体感させてくれた。その終着で待っていた楽曲は、これまでryoが、supercellが、ファンが共に過ごしてきた時間と、supercellと同じように筆者も含めた数多のボカロPたちが過ごした喜びや苦悩の歴史を想起せずにはいられなかった。

アンコールはコンサートの大団円へ。高鳴る鼓動と涙を禁じ得ない"あの頃"の曲たちが5曲続けて畳みかけられた。

大坪由佳さんのMCを挟み、いよいよコンサートは大団円へと向かう。ryo名義でニコニコ動画に投稿した初音ミクを使用した5つの楽曲が一気に会場を”あの頃”へ引き込んだ。ryo (supercell)ブレイクの一端となった名曲”ボカロオリジナル曲”たちが次々と演奏され、ボカロPであった筆者を含め、会場の誰もが心の中で”あの頃”に戻り、喜び、涙したことと思う。5曲終わっての大きな拍手の中、一部の方はきっと、視界に”コメント弾幕”が見えたに違いない。

そして物語はryo (supercell)の現在地と、珠玉のマイルストーン3曲へ。

次に始まった曲も、supercellとして新たな挑戦をおこなった曲だ。そのメロディが、寂しさを帯びながらラストへ向かって時を刻み始める。続けて、ボカロ楽曲を通った人なら誰もが知るボカロの歴史・supercellの歴史で絶対的なマイルストーンといっても過言ではない”あの楽曲”が演奏され、会場は息を呑んだ。そして、いよいよコンサートの終わりへ向け、別れへの秒読みが始まるように次の曲に向かい、寂しさを感じさせながらもその優しい旋律が会場全体に広がった。ラスト1曲は、今日来場した全員を、そしてsupercellファンをまるで”まだ見ぬ新たな未来”へと手を引くように導きながら、オーケストラは大団円で全ての演奏を終えた。

なんと8/11の大阪公演が実施されることがサプライズ発表!終演のご挨拶~あとがき

最後の楽曲の後、ryoさんをはじめ、MCの大坪さん、指揮の井村さん、東京フィルハーモニー交響楽団の皆さんが再び登壇し、ryoさん自身の口から8/11グランキューブ大阪にて行われる同コンサートの大阪公演の発表がサプライズ発表され、割れんばかりの大きな拍手の中コンサートは終演した。
記事冒頭で当公演のパンフレットから引用し記載したryoさんのメッセージ通り、今日という日は、このコンサートに足を運んだすべての人たちにとって「いつか必要となる力」になったのだろうと思った。
 
筆者も大阪公演へも楽しみに足を運ぼうと思う。東京公演を観た方も、まだの方も、是非ともこの貴重なコンサートに足を運んでもらえたらと、心の底から思う。

絶対に損しない、一生の思い出に残る体験になるはずだ。

【イベント情報】

タイトル:supercell オーケストラコンサート
日時:2024年8月11日(日)
OPEN 15:00/START 16:00
場所:大阪国際会議場メインホール(グランキューブ大阪)
 
【オフィシャル先行】受付:チケットぴあ
受付:2024年6月30日20:00~7月7日23:59
【プレイガイド先行】受付:チケットぴあ
受付:2024年7月11日10:00~7月15日23:59
【一般発売日】2024年7月20日10:00~

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