シシド・カフカ ツアー最終日に「ライブが楽しすぎるっ!!」と叫ぶ
4つ打ちのバスドラムが響き渡る中、シシド・カフカとバンドメンバーが登場。観客は歓声で迎えるが、期待を裏切りシシドは、まさかのギターを背負い1曲目がスタートし、妖艶な姿とは裏腹に力強い歌声で「music」「明日を鳴らせ」を披露した。
MCに入り、「シシド・カフカ ライブツアー2017 そうだ、ライブをやろう、にお越しの皆さんありがとうございます!短い時間ですが楽しんでいきましょうー!!」と挨拶すると、ハンドマイクスタイルに変更し、「手をあげて!」と振りつけを説明しながら、「負けないゲーム」に突入した。ライブの楽しみ方を観客と共有しながら、「FLY HIGH!」とアップテンポの曲を続けざまに披露し会場を盛り上げていった。
ドラムに座るのかと思いきや、またギターを背負い「季節外れのこの曲を聴いていただきます」と、シシド・カフカの鋭いギターのカッティングから「春の約束」をスタート。疾走感にのせる切ないメロディーとシシド・カフカの透き通ったハイトーンボイスが会場に響き渡った。
ステージに用意された椅子に座り1年を振り返るシシドは「2018年はどうだった?」と問いかけ、観客が「まだ2017年です。」と和やかな空気も。そんな会場の雰囲気にのせジャジーなアレンジの「100年ビール」続いてアコースティックアレンジでヒット曲「Don’t be love」を披露した。ピアノの伴奏に合わせやさしく、時に力強く歌い上げ、今まで盛り上がっていたお客さんがしっとりと彼女の歌に聴き惚れるひとときが訪れた。
しばらくステージが暗転。セットチェンジを行い、ドラムがステージの前に現れた。シシド・カフカが登場するとついにドラムに着席すると、突然、ドラムを叩き始め「Obertura」へ。ドラムを叩き、目くばせをし観客を煽りまくった。
先ほどの優しい歌声とは正反対のシシド・カフカが観客の熱狂を生んだ。ドラムを叩きながらノンストップで「Get up!」「タチアガレ」「3.2.1…CUT」「さようなら あたし」を披露。1曲1曲終わるたびに歓声が鳴り止まなかった。「色々な経験をしてどうしても歌いたかった1曲」と述べ「最低な夜のあと」をエモーショナルにプレイした。シシド・カフカ、バンドメンバーの熱のこもった演奏に観客は目を潤ませた。
ライブはラストスパートへ。「ライブが楽しすぎるっ!!」と渾身の一言。シシド・カフカがいかに音楽を愛しているかが垣間見える。そして1月公開の映画「ホペイロの憂鬱」の主題歌である新曲「特選」を初披露。この新曲について、「人生には選択が続いている。その選択がいいものなのか、悪いものなのかは今の自分次第、どんな選択も特選にしたい。」という気持ちを込めたと語った。
続いて真島昌利楽曲提供「新宿サノバガン(SON OF A GUN)」をハイテンションのまま披露。サビに全てのメッセージが込められると観客に伝え、気持ち良く歌い上げた。畳み掛けるように「全然踊れるでしょう!?」と観客を盛り上げ続け「愛する覚悟」「朝までSugar me」「ラヴコリーダ」を披露した。
鳴り止まないカフカコールにこたえ、シシド・カフカが再度登場すると、「忘年会シーズンなので…渋谷をスナックみたいにして」と「羽田ブルース」をなんと観客とデュエット。横山剣が歌うパートを観客が歌うという驚きの演出となった。
そしてシシド・カフカ最大のライブキラーチューン「バネのうた」を披露。ステージからドラムと歌声を全力で駆使して観客を自由自在に操るように盛り上げ、会場の熱狂の渦へ。この日、シシド・カフカの音楽への情熱が渋谷WWW Xの観客も巻き込み、隅々まで届いていた。
シシド・カフカは来年3月公開のディズニー/ピクサー最新作「リメンバーミー」の日本版エンドソングを担当することが発表されている。これからもシシド・カフカの活躍に目が離せない。
撮影:青木カズロー