鬼束ちひろ MC・アンコールなしで新旧楽曲を織り交ぜながら2時間歌い切る
2000年の2nd Single「月光」が大ヒットを記録し、1st Album『インソムニア』はミリオンセラー、オリジナルシングルでは9作連続、アルバムでは5作連続でオリコンチャート10位以内を獲得という華々しいキャリアを持つ鬼束ちひろ。
そんな鬼束は今年、オリジナルアルバムとしては2011年に発売された『剣と楓』以来、約6年ぶりとなる通算7枚目のオリジナルニューアルバム『シンドローム』を2月に発売。完全復活を遂げた鬼束の歌唱力が話題を呼び、初回限定盤が入手できないファンが続出する事態となり、現在も引き続きロングセールスが続いている。そのアルバムを引っ提げた15年ぶりの全国ツアーを4月からスタートしており、2017年7月12日(水)に中野サンプラザホールでツアーファイナルを迎えた。
ツアータイトルは、アルバムタイトルと同じ「シンドローム」。2017年4月13日(木)川崎 CLUB CITTA’を皮切りに、7月12日(水)東京 中野サンプラザホールまで8か所を周るツアーで、2002年に行われた「CHIHIRO ONITSUKA ‘LIVE VIBE’ 2002」以来、約15年ぶりとなる今回は、完全復活を遂げた彼女の姿に期待が高まる全国ツアーとして大変注目を集めていた。
昨年のライブのシンプルなアコースティック編成から一転、今回のツアーではピアノ、ギター、ベース、パーカッションにバイオリン、チェロを加えた、久々の完全バンドセットによる編成。羽を広げたようなドレープを舞台両脇にあしらった幻想的なステージ上に鬼束が登場し、最新シングル曲「good bye my love」からライブはスタート。鬼束は続けて「碧の方舟」、「Sweet Hi-Five」とニューアルバム『シンドローム』を中心としつつも、「眩暈」、「流星群」、「蛍」といった過去の名曲達も披露し、新旧楽曲を織り交ぜながらも最新型の鬼束の歌声で観客を歌の世界に引き込んでいった。
続いて、壮大なバラード「帰り路をなくして」、ロックサウンドが際立つ「X」を熱唱、再びニューアルバム『シンドローム』の楽曲が続き、より鬼束の力強さも増していく。そして終盤、ダイナミックな曲展開を見せる「月光」を力強く歌い上げ、最後の「火の鳥」では笑顔を見せながら包みこむような歌声で会場を魅了した。
MCなし、アンコールなし、2時間18曲をノンストップで歌唱し続けた鬼束は、バンドと共にステージ前方に並んで『ありがとうございました』と礼をし、ファンへ手を振りながらステージを去っていった。
今後鬼束は、7月14日(金)宮崎 Medikit Arts Center(メディキット県民文化センター)、7月18日(火)東京 Zepp DiverCity (TOKYO)にて坂本昌之とともにボーカルとピアノのみのアコースティックセットで追加公演を行い、8月11日(金・祝)にはROCK IN JAPANの出演も決定している。
そして、中野サンプラザホールで行われた公演は8月20日(日)夜9:30より、WOWOWにて独占放送されることが決定している。今後の鬼束の動きにも目が離せない。