エレファントカシマシ 伝説のライヴを一夜限りのプレミア上映でファン「ちょっと、まだ震えています」

2017.7.12 18:26
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エレファントカシマシ

デビュー30周年を迎え、現在キャリア初の全都道府県ツアー「30th ANNIVERSARY TOUR 2017“THE FIGHTING MAN”」が軒並みSOLD OUTとなっている日本最高のロックバンド、エレファントカシマシ

彼らが長年に渡り高い評価を受け続けている大きな要因の一つが「ライヴ」であり、その幾つかに伝説と称されるものがある。遡ること29年前、1988年9月10日に敢行された渋谷公会堂ライヴはまさにそのひとつ。

1988年3月にEPIC SONYよりアルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』、シングル「デーデ」でデビュー。そのわずか半年後。バンド初のホール会場となる渋谷公会堂ライヴの発表時には無謀との声もあがっていたと言われる。当時映像制作の第一人者となりつつあった故・坂西伊作氏が撮影監督として企画段階から加わりすべてが進められた。

剥き出しの無機質な舞台。バンドが登場し、おもむろに演奏が始まるが、客席の照明はついたまま。すべての環境がまさに規格外。演奏は力強く闘争的で、それが凄まじい圧力に変わる。そして随所でヴォーカル、宮本浩次の感情が露になる。渋谷公会堂を埋め尽くした観客は、その場で立ち上がるわけでもなく、拳をふりあげるわけでもなく、目の前で演奏している4人を“目撃”している様相だ。異常な空気感が会場を支配した。怒涛の全14曲、緊迫の70分。終演まで客席の照明が落ちることはなかった……。「こうやって、慣れていくんだろうなぁ。オレ、心配だよ」(宮本浩次/ステージMCより)

この伝説的ライヴは16mmフィルムのカメラ5台で全編撮影、音はデジタル・マルチテープで録音されたが、映像は、これまでほとんど世に送り出されることはなかった。だが、ライヴから約29年経過した今年、映像・音源を最新技術によりレストア・リマスタリングし、ここに完全に蘇ることになった。

7月11日(火)、東京のZepp Tokyoで一夜限りのプレミア上映会が行なわれた(大阪のZepp Nambaも同時上映)。完売チケットを持って会場に詰めかけた約800人。今回特別に用意したスタンディグエリアは開場と共にあっという間に埋まった。スクリーンに映し出された29年前のライヴは立ち上がって観る者が皆無だったことでも「伝説」と言われたステージだった。今夜の上映会では初期代名詞「ファイティングマン」で拳を挙げて観る者も少なからずいたが、Zepp Tokyoに集まったファンの多くはやはり「傍観者」となっていた。終演後、会場ロビーで聞いたファンの声をお届けしたい。新たに生まれた証言者が語った「真実」の数々だ。

「あの渋谷公会堂にいました。29年前のあの日と同じ気持ちになりました。あの特別な緊張感を今日はここに集まったみんなで共有。だから今日も立たないであの時を“目撃”したんですよね」(49歳・女性)

「圧倒されました。感動です。29年前は4歳でした。音源は何度も聴いたことがあったけれど、映像で見たのは今夜が初めてで、ちょっと、まだ震えています」(33歳・女性)

「会場の照明がついたままだから忘れられない夜だった。今夜、スクリーンに映る自分も発見しました。宮本さんより私の方が見た目は若かった(爆笑)」(51歳・女性)

「これはスゴイ!噂では聞いていましたが、あまりにも壮絶。でも基本的には今と同じ演奏スタイルかな。変わったと言えばバンドの一体感。だって渋公の宮本さんサイコーに自分勝手だもん(笑)」(47歳・女性)

「渋公で演奏した曲はいまも彼らは演奏しています。デビューした年のやんちゃなライヴですが、いまもその延長線に今もエレカシがいることがわかって嬉しい。そのことを再確認出来ただけでも歴史的価値がある映像です」(47歳・女性)

語れられてきた「伝説」が、今のエレファントカシマシに繋がる不変の「真実」となった。29年前のあの日と同じように、この日もファンにとっては忘れられない日となったようだ。

7月26日(水)には、本プレミア上映の内容を含む映像を完全収録したパッケージ『LIVE FILM エレァントカシマシ 1988.09.10 渋谷公会堂』も発売される。

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