古内東子、デビュー30周年記念アルバム『体温、鼓動』に込めたもの「これしかないと思いました」
デビュー30周年を迎えるシンガーソングライターの古内東子さん。1993年にリリースした「はやくいそいで」でデビューし、以降さまざまなラブソングで、多くの人から支持を得ています。
2月21日には、デビュー30周年記念プロジェクトの第1弾となるニューアルバム『体温、鼓動』がリリースとなり、そのアナログ盤が4月27日に発売されます。また、4月30日からはライブツアーが開催される予定です。
今回は、そんな古内さんに、アルバム『体温、鼓動』に込めた思いや、特にこだわったポイントなどについて伺いました。
ーー『体温、鼓動』の発売、おめでとうございます!今作は古内さんのセルフプロデュースとなるオリジナルアルバムですが、特にこだわったポイントは何ですか?
30周年を記念して、のアルバムということで、まずは私にとっていちばん身近で大切な楽器である「ピアノ」を中心とした一枚にしようというところから始まりました。
さらに、全曲ピアノトリオ(ピアノ、ドラムス、ベース)という編成にすることによって、ピアノがもっとも輝くアルバムにしたいと思ったんです。
全体的にそういったとてもシンプルなサウンドの作品に仕上がりました。
あと、シンプルながらも、コーラスはしっかり入れたのもこだわりポイントのひとつですね。
ーー今作は、古内さんにとってゆかりのある6人のピアニストの方を曲ごとに起用されているということですが、レコーディングを振り返って、いかがでしょうか?
私も含め、6名のピアニストの皆さんには同じスタジオの同じピアノを弾いていただきました。
なので、それぞれの方のタッチやニュアンスといった個性が、如実にあらわれていると思います。
雑談をしながらのトリオ感の構築の仕方や、ソロへの取り組み方などもそれぞれで、とても興味深かったです。
スタジオの一番後ろで見ていた私がいちばん楽しんでいたかも知れませんね(笑)。
ーー3曲目には、アルバムのタイトルにもなっている楽曲「体温、鼓動」が収録されています。この楽曲やタイトルに込めた思いなどあれば、お聞かせください。
「体温、鼓動」は、結果的にアルバムタイトルにもなりましたが、最初に曲が完成したんです。
ピアノトリオという、ジャズを想起させる編成にしたことで、生まれて初めて変拍子の曲を書いてみたいと思いついて出来た一曲です。
五拍子という少し混沌とした世界観に引っ張られて生まれた歌詞は、とてもシンプルながら情熱的で力強いメッセージとなりました。アルバムのタイトルとしても、これしかないと思いました。
ーー8曲目には、デビュー曲「はやくいそいで」がリアレンジ収録されています。思いや捉え方など、曲に対しての意識で変わった部分などはありますか?
今回のアルバムのコンセプトや流れに沿うものでありつつ、大切なデビュー曲なので、妙な大改造は加えたくないと思っていました。
そこで、少し大人っぽくキーを下げて歌ったデモを河野伸さんにお渡ししたんですが、返ってきたアレンジは、まさに私の思いを具現化してくださったものでした。
デビュー当時の気持ちもよみがえりながら、今自分がいる場所もきちんと教えてくれる素敵なサウンドです。