解散と再結成を経た2組、Do As Infinity×MOONCHILDがガチ対談!今だから語れる赤裸々エピソード【インタビュー】

2017.2.23 19:33
解散と再結成を経た2組、Do As Infinity×MOONCHILDがガチ対談!今だから語れる赤裸々エピソード【インタビュー】サムネイル画像!
Do As Infinity大渡亮×MOONCHILD佐々木収

来たる3月6日(月)、Do As InfinityMOONCHILDが、対バンイベント「GREATEST HITS vol.1」を、渋谷・TSUTAYA O-EASTにて開催する。

90年代後半に登場し一時代を築き上げた2組は、いずれも解散と再結成を経験。今もお互いに交流を深めながらそれぞれの活動を行なう周知の間柄だが、対バンを行うのは今回が初となる。今回はこれを記念して、Do As Infinity(以下、Do As)のギタリスト大渡亮(おおわたり りょう・以下、大渡)、MOONCHILDのヴォーカル/ギターを担当する佐々木収(ささき おさむ・以下、佐々木)にインタビューを敢行。境遇の似た2人による、今だからこそ実現した“ガチな対談”を繰り広げてもらった。

■2人の出会いと絆

―お2人のそもそもの出会いについて教えてください。

大渡:収くん(=佐々木)は元事務所の先輩なんです。歳は一緒なんですけどね。MOONCHILDが96年、僕がDo Asの前に結成していたバンド、Pee-Ka-Boo(ピーカーブー)が98年にデビューしてまして。

―当時から仲良かったんですか?

大渡:僕が入った頃、既にMOONCHILDはすごく忙しくてずっと出ずっぱりの状態。あまり事務所にいることがなかったので、接する機会がなかったですね。

佐々木:ただ事務所に行ってなかっただけですよ(笑)。まあ、仲良くなったのはMOONCHILDを解散した後、僕がRicken’sっていうバンドでデビューした以降ですね。2005年くらいかな。亮くん(=大渡)とイベントで一緒になって。すごく久しぶりの再会だったんだけど、「いや~、本当に偉くなったな~」ってつくづく思いましたね。

大渡:いやいや(笑)。僕たち、数少ない46年生まれのミュージシャン同士でもあるんですよ。本当この世代って少なくて。先輩たちに混じってセッションとかやる時は、この歳でいまだに自分が一番年下だったりするんです。逆に普段若手のアーティストと一緒にやる時は、当然のように最年長になっちゃう。常にそのどっちかなんで、同世代のミュージシャンに会うとすごく嬉しいですね。この層をもっと盛り上げたいと思ってます。

―同世代ということもあって繋がりがより深まったんですね。ちなみに、今回の対バン企画はどうやって実現したんですか?

大渡MOONCHILDの担当だったディレクターが、後にDo Asの立ち上げに関わることになった方で。原田さんっていう僕たちの親分的存在のね。彼に声かけてもらって今回の話が実現したんです。

PPAPを実演する大渡亮と佐々木収
PPAPを実演する大渡亮と佐々木収

佐々木:最近流行ってるコレですね。(「PPAP」でおなじみの、両手で「ペンパイナッポーアッポーペン」を作るジェスチャーをしながら)

大渡:これね(同じジェスチャーをしながら)。

(一同笑)

佐々木:ちなみにですが、コラボレーションといえば、僕らの再結成ライブの時って亮くんにギターを演奏してもらってるんですよ。

—そういう意味でも縁の深い関係性ですよね。

■対バンライブへの想い

—他バンドの活動やサポートといった形で一緒になる機会はあっても、Do AsとしてMOONCHILDとして対バンを行うのは、今回のライブは初なんですよね? どんな想いですか?

大渡:僕は単純にMOONCHILDのライブを観るのが楽しみ。演奏したことはあってもちゃんと観たことはないんでね。順番的に僕らの演奏が先なので、終わってからゆっくり上の方の席で観させて頂きますよ(笑)。

佐々木:え、嘘!? 僕らが先じゃないの? 先がいい!

大渡:いやいや、僕らが先だってば(笑)。
(※後に確認したところ、当日はDo As InfinityMOONCHILDの順番だそうです)

大渡:でもさ、今回秋山くんが出るっていうのは奇跡だよね。オリジナルメンバー4人が集まるのは、それこそ解散以来20年以上ぶりとかなわけでしょ? まさに奇跡の再集結!

佐々木:すごくドキドキしてますね。しかもDo Asって上手いじゃないですか! だからこそ、もう最初にブワーって演奏して駆け抜けてウヤムヤにしたい(笑)。

大渡:何言ってんの(笑)! 奇跡の再集結だって言ってるのに。

(一同笑)

■当時の音楽シーンを振り返って

—お2人がデビューした当時の音楽シーンを振り返ってみてどう思いますか?

大渡:あの当時は、作ったものに対してもっと価値を見出せてた時代だった気がします。商品としてね。今は音楽がもっとコンビニエンスなものになってしまったじゃないですか。昔はひとつ作品を作るとそれにまつわる多くの仕事をこなす必要があったんだけど、ネット中心の時代になってしまった今はその作業が簡略化されて、自分の体を使って何かすることっていうのが極端に減ってしまった気がしてます。90年代には機能していた色々なものが簡略化されてしまったなーと。

佐々木:(90年代は)やっぱ華やかだし、バブリーでしたね。CDの売り上げも良かった時代だし、僕らは本当に良いタイミングでデビューできたなと思います。

—当時はドラマやアニメの主題歌=ヒット、みたいなイメージが強いんですが、そういう意味でタイアップがすごく重要な時代だったんじゃないでしょうか?MOONCHILDもやっぱりドラマで聴いたイメージって残っていますし(ヒット曲「ESCAPE」は、97年放送のドラマ『FiVE』の主題歌)。

佐々木:あの頃は皆テレビ見てましたもんね。

大渡:ドラマの主題歌なんて絶対売れる、売れないわけないって感じだったよね。タイアップ取れただけですげーって時代。昔と比べたら今はそうでもないのかも。

佐々木:主題歌になったからって必ずCDが売れるわけじゃないみたいだし、タイアップ自体も今とは少し価値が違うんだろうね。

大渡:だけど、今も昔も僕らに声を掛けてくれるところがあるってことはつくづく有難いよね。

Do As Infinity大渡亮
Do As Infinity大渡亮

■解散と再結成にまつわるお話

—解散と再結成を経たお2人にお伺いしたいんですが、当時の状況ってぶっちゃけどうだったんでしょうか? あ、もちろんお話しいただける範囲で(笑)。

佐々木:ロックバンドたるものは全部やりきってパッと解散するのがいいんだ、って美学みたいなのが当時の僕にはありまして(笑)。これでずっと食べていこうっていうのはなかったし、3枚目のアルバムを作った時点でやりきった感みたいなのがあったんです。今でいう中二病みたいな感じなんですかね(笑)。当時は「ESCAPE」が売れたので、その後も似たような曲を期待されてたと思うんですが、毎回全然違う感じの曲を作って出しちゃってました。メジャーを去ってみたり、色々な活動をやってみたりして改めて思うんですけど、わがままに音楽を追及させてくれたavexさんには感謝してます。

大渡:僕の場合は、元々グループの枠ができてるところに誘ってもらって入った感じなんです。なので硬い言い方になっちゃうけど、当時は認めてくれた方達にご奉公したい、みたいな気持ちがあったんですよね。でもやってみたらやりがいもすごくあったし、僕としてはとても充実した活動をすることができたなって思ってます。解散ってなった時はやっぱり寂しかったし、正直やめたくないって気持ちもありましたね。

—Do Asの場合は解散から3年後っていう、比較的短い期間で再結成を発表されましたよね。きっかけは伴さん(ヴォーカル)の声かけがあって、とお伺いしてますが?

大渡:そうですね。でも一度店じまいしたものを、こんなに早く復活させちゃっていいのかっていう戸惑いはありました。既に僕は他の活動もスタートさせてたタイミングだったし。でもその反面、当時のDo Asでできなかったこと、やり残したことを今度こそできるんじゃないかっていう期待もあって。で結果、ポジティブに受け止めて、バンドを復活させるって選択をしたんです。

—悩んだ上での決断だったんですね。以降はDo Asとして今に至るまで、作品をリリースしたりツアーを行ったり、積極的に活動されていますよね。

大渡:今はバンドでやるひとつひとつの出来事がすごく楽しいです。作品に関しても、前より自発的にやりたいことに挑戦できてると思うし、技術的にも当時できなかったことができてる。本当に再結成してよかったなと思ってます。まあ、その一方で、自分のスキルのなさを痛感したりもしてて、もっと修行しなきゃって気にもなってますけど。

佐々木:偉いなー。

MOONCHILDは再結成の時、どうだったんですか?

佐々木:僕らのきっかけはというと、震災の後に当時のチームが集まったことだったんですよ。バンドメンバーだけじゃなくて、スタッフも含めたチーム全員で。メンバーが揃ったのは解散以来10年以上ぶりでしたね。ただ近況報告するだけの会だったんですけど、その時にリーダーの樫山くんが、「もう1回やりたい」って言い出して、そういう話の流れになって。僕も皆も普通にそれぞれの活動してたんですけどね。まあ、とりあえず1回くらいなら(ライブやっても)いいかなって感じになって。その結果、2013年に再結成という形になりました。

—で、その再結成ライブの時に、大渡さんがギターを担当されたと。

佐々木:その時はギターの秋山くんが出られなかったので。赤坂BLITZと追加公演のSHIBUYA-AXでライブしたんですが、赤坂BLITZの日は記録的な大雪で電車止まっちゃって、来られなくなったお客さん続出だったんですよね……。

大渡:あー! そうそう、雪酷かったよね。

佐々木:おまけに、僕その時熱を出してしまってて。ライブまで忙しくて気がつかなかったんですけど、何かふらふらするなーと思って後で病院行ったらインフルだったことが発覚して……。コンディションが良くなかったのは事実で、正直ファンの方からの厳しいお声も頂きました。自己管理ができてなかった僕の責任なんですけど、期待に応えられなかったという意味で、精神的にもちょっとまいっちゃった時ではありましたね。以来、身体を鍛えようって切実に思うようになりました。

大渡:そんなことがあったんだ……。

佐々木:でも、まあその後がっつり活動を行なってたわけではなく、割と放置プレイに近かったんですけどね。一時期「活動休止」みたいな記事が出てたりして、びっくりしました。そんなこと何も言ってないのに(笑)。

—そんな記事が! もしかして今回のライブは再結成ライブ以来なんですか?

佐々木:ライブに関しては、去年の年末にシークレットでやったりもしてました。僕も含めメンバーそれぞれが他の活動をしながらのスタンスなので、今の段階で先のことははっきりわからないけど、ニーズがあればそれに応えたいって気持ちはあります。

—佐々木さんはバラエティ番組にも出られてましたよね? そっちの方面に行くわけだったりは…?

佐々木:しないです(笑)。オファーがあったので出ただけで、基本的には音楽をやってたいタイプですので。

大渡:俺、年末の『有吉反省会』観たよ(笑)。

—私は『関ジャニの仕分け∞』(2012年放送)を拝見しました(笑)。

MOONCHILD佐々木収
MOONCHILD佐々木収

■この時代だからできること

佐々木:しかし今や、当時のメンバーも含め周りにいた皆も偉くなったよねー。

大渡:そうだね。でもさ、さっきも言ったけど、自分の中ではもっと同世代の元気を活性化したい、盛り上げたいって気持ちが強いんだよね。音楽が好きでやり続けてる人たちも多いし、その火種を絶やさないためにも、今回のライブを成功させて、またそういうことを続けていけたらって思ってる。

—90年代後半に日本で青春を送ってて、お2人のバンドを全く知らない方っておそらくあまりいないんじゃないかと思うんですよね。だからこそ今回のライブは貴重だし、こういう企画は単純にワクワクします。

大渡:今はYouTubeとかで簡単に曲が聴けたりしちゃうけど、昔は今ほど選択肢がなかったからね。皆テレビで観た曲のCDを買ったり借りたりしてたよね。

佐々木:とか言いつつ、僕もYouTubeで自分の作品上げたりしてるんですけどね(笑)。あ、ちなみに1月11日にソロアルバム出したばかりで、そちらの曲も(聴けます)。

—さらっと(笑)。

Do As Infinity大渡亮×MOONCHILD佐々木収
Do As Infinity大渡亮×MOONCHILD佐々木収

■最近気になるアーティスト

—ちなみにお2人は、最近気になっているアーティストっていますか?

佐々木:僕は最近、岡崎体育さんって方面白いなって。それこそYouTubeで観たPVとか、曲もずっと頭に残ってるし。

—その名前が出るとは意外です(笑)。

大渡:へー、今度検索してみよ。

佐々木:あと、星野源さんもスゴいなと。音楽じゃなくて本書いてたり役者もやってたり、すごくマルチで。単純にズルイって思っちゃう(笑)。あ、あと米津玄師さんも自分で映像まで作ってたりしててスゴい。ああいう若い感性欲しいなあ。

大渡:僕は基本的に古いのばっか掘ってて新しいの聴かないタチだから、特に今の邦楽はあまり詳しくないんだよね。

—洋楽で気になるアーティストは?

大渡:ブルーノ・マーズですかね。最近僕の中でファンク熱が再燃してたんですけど、最近彼が出したアルバムは、僕が大好きなZappにそっくりでビックリ! 彼のファンクとかR&Bに対する愛が伝わってきてすごくよかった。やっぱりこの人、あっぱれだなって思ったし、そういう感じの音楽を自分もやってみたいなと思いました。Do Asじゃなくて、僕がやってる他のバンドでかもしれないけど。

佐々木:ミサイル(イノベーション)?(※ミサイルイノベーション…大渡がヴォーカル/ギターを務めるバンド)

大渡:それもそうなんだけど、今スケジュールの合間を縫ってセッション活動とかもやってて。スキルアップの目的もあってね。

佐々木:色々やってて本当スゴいよね。

大渡:やっぱ(ギターを)弾いてたいんだよね。ほとんどジャンキーと一緒(笑)。自分にとって不得意なものだからこそ、ずっと弾き続けてるってのもあるけどね。

佐々木:めっちゃうまいのに!

大渡:いやいや、収くんみたいにサクサク曲作ったりできないし(笑)。でも色々溜まってるアイディアもあるんで、小出しでもいいから出していって、何か新しいことをやってみたいなって思ってるところです。あ、新しいといえば、最近CMとかで耳にする若手アーティストの曲って、新しいんだけどどっか懐かしい感じするの多くない? それこそ90年代の雰囲気とかさ。

佐々木:確かに、昔流行った音楽がリバイバルしてる感じはあるかもね。

大渡:やりすぎちゃうとまた違ってくるんだろうけど、今の世代の音楽も面白いなって思った。やっぱCMとかで新しい音楽を知るってことはいまだにあるよね。今も昔もそうだけど、やっぱり企業とミュージシャンの両方が良い状態でタイアップできれば成功。さっきの収くんの言葉じゃないけど、どうであれ僕らにそういうニーズがあるのであれば、喜んでお話を受けたいなって思ってます。

(取材・文:濱安紹子)

【イベント情報】

タイトル:「GREATEST HITS vol.1」
日時:3月6日(月) open 18:00 / start 19:00
会場:渋谷・TSUTAYA O-EAST

出演:Do As Infinity / MOON CHILD

チケット料金
前売り:オールスタンディング 6,000円(税込 / ドリンク代別途500円)
当日:オールスタンディング 6,500円(税込 / ドリンク代別途500円)
お問い合わせ先:O-EAST 03-5458-4681

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