東野純直、1日遅れのXmasライブを開催!独占コメントも到着
ライブは、優しいピアノの音色を合図に、デビューからの28年間の時の流れを自由に行き来しながら進んでゆく。心に溜め込んだ思い出を巡るライブの幕開けを飾ったのが、冬を舞台にしたラブソングの「ネガイ」。白いスポットライトに照らされた東野純直は、閉まっていたセピア色の思い出の数々に、暖かな歌声の絵筆で色を塗り重ねてゆく。それが、これから新たな思い出を加える願いだと言うように。
思い出の景色は90年代へとプレイバック。東野純直はピアノを弾きながら、みずからも青春時代の自分を呼び戻すように「80’s」「JOY≒YOUR PRESSURE」を歌っていた。懐かしがるだけが思い出ではない。心に刻んだ物語の中へ、今の自分の気持ちを上書きすることで、青春という輝きの服をまとった新しい自分になれる。
デビュー曲の「君とピアノと」に合わせ、若さに任せて夢中になっていたあの頃の風景が目の前に映し出された。この歌へ触れるたび、東野純直と出会った頃を思い出す。廻るレコードの針(東野純直の歌声)が、真っ直ぐだったあの頃の自分に心を塗りかえてゆく。
思い出の歩みを巡る旅は、少しずつ大人の階段を登りだす。東野純直は「731の朝」「君だから」を歌い、若さだけでは消せない切なく揺れ動く心模様と、互いを深く知れたからこそ抱ける慈しみを重ねながら、愛しい人たちとの絆を深めあっていた。それが、大人になった人々が長く歩み続けるための処方箋だというように…。
MCでは、「みんなが聞きたい曲は出し惜しみなく歌っていく」と語る場面も。「頼りにしていた人が、自分の中で永遠に生きる存在に変われた。悲しみを引っ張るのもある程度で止めて、ここからは自分の力で踏みしめ歩いてく」と、母親が天へ旅立ったことにも触れながら。同時に、「夢だけは棄てないでほしい」と今の生きざまを記した最新アルバム収録曲の「大地のように」を。変わり続ける自分を受け入れるように「まだ見ぬ世界」を、未来の自分へ想いを馳せるように歌っていた。
あの頃の自分の生き方を映し出した「MY LIVE」。続けざま、これが今の自分だと示すように、東野純直は最新アルバムのタイトル曲「Mr.cook」を歌い、二足の草鞋で活動する今の自分の姿勢も伝えてきた。
終盤、会場に足を運んだ人たちと愛あふれるXmas気分を味わおうと、東野純直は「君は僕の勇気」を、鍵盤を弾ませ、温かい声で歌いだした。終盤には、フロアを2つに分け、みんなでマスク越しに歌をハモる場面も登場。会場中の人たちも大きく身体を揺らし、熱く手拍子をしながら、一緒に笑顔と幸せを分かちあっていた。
「身体は老いても、心は音楽という思い出に乗せることで若がえられるし、いつだって青春に戻れる」。最後に東野純直は、ピアノの音色を背景に「2時間遅れのイブ」を歌唱。それぞれが一番大切に閉まっていたXmas時期の自分に心を戻し、ロマンチックな思い出に浸るひとときを届けてくれた。
「巡る季節の中、変えちゃいけないことは人を思いやり、真面目に生きること。人を愛でて、優しい生き方ができるように。そのお手伝いができたら嬉しく思います」
アンコールの第一部では「Fence」を、第二部では「鼓動」を届け、この日の物語を次のページへ繋げるよう、最後に「僕らはいつでも一つになれる」と最新シングル「明日のカタチ」を歌唱。終盤にはみんなで合唱し、心に植えた明日の形の種を芽吹かせ、新しい思い出のフォルダを心の中に作りあげていった。次はどんな思い出を、そのファルダへ一緒に詰め込もうか。
なお、このライブの模様は、ツイキャスプレミアムでアーカイブを有料配信中だ。
文:長澤智典
撮影:Real☆Shot MASATO
【東野純直 コメント】
今年も新型コロナウイルスに影響を受けた一年でした。
自分の場合、エンタメ、飲食とダブルパンチの打撃でありましたが、ここまで人の温もりを感じた事はありませんでした。
また、コロナに重ね、母、父と両親を相次いで失いました。
沢山の思い出と共に両親が永遠の存在となり、両親が好きだった自分の曲を歌いながら、不思議とこれから先の自分の人生に強い希望と光を天国から照らしてくれているように感じた、そんなステージでした。
サプライズで、ファンの皆さんがグリーンのサイリウムで勇気付けてくれた光景を見て、飲食と音楽で、力の限り元気と勇気をお返ししなくてはと強く思いました。
2023年にデビュー30周年を迎えさせて頂きます。来年2022年はその下準備でも忙しく活動致しますので、見かけたら声かけて下さい。