きいやま商店、地元沖縄で『アカサタナ』CD発売記念ライブ!盟友ナオト・インティライミがサプライズ・ゲストで登場
石垣島出身の従兄弟兄弟で結成された、沖縄の灼熱の太陽のようなエンタメバンド「きいやま商店」。そんな彼らが、3年ぶりの新作となるミニアルバム『アカサタナ』を2021年4月28日にリリースした。
本作は、盟友であるナオト・インティライミをプロデューサーに迎え、完成した意欲作だ。そのミニアルバム『アカサタナ』の発売を記念したライブ、「きいやま商店 アカサタナハマヤライブ 〜みんなの大冒険〜」が 7月18日(日)、沖縄市ミュージックタウン音市場にて開催された。
新型コロナウイルス感染予防対策を講じ、注意事項を事前にオーディエンスに周知徹底。キャパシティを制限、ソーシャルディスタンスに配慮するなど、国のガイドラインに沿って行われたもの。真夏の太陽が照りつける沖縄、午後4時の開場前からこの日を待ちわびたファンたちが続々集結した。
いよいよ公演がスタート。「月ぬ美しゃ」からはじまるいつもの登場SEが会場内に響辺り、きいやま商店がステージに登場! 声出しNGの公演ではあるが、オーディエンスの胸の高鳴りがステージに届く。いつもより5割増しのキレッキレのウエルカム・ダンスを披露し、「みんな会いたかったよー !!」の第一声とともにオープニング・ナンバー「ダックヮーセ!」が始まるやいなや、ミュージックタウン音市場に沸き起こる手拍子の波!! コーラス・ワークが冴えるサマーチューン「オーシャンOKINAWA」、三線を活用したパントマイム、レザービームのパフォーマンスを交えた「ドゥマンギテ」で、すでにライブ後半のようなうねりを生み出す。
「みなさんおひさしぶりです!」ーだいちゃん
「きいやま商店で〜す!」ー全員
「会えてよかった!」ーマスト
「声は出せないけど、感じてるよ。一緒に楽しんでいきましょう!!」ーリョーサ
このMCに、思いが凝縮している。それもそのはず、今回のライブは、きいやま商店にとって1年ぶりのワンマン・ライブ。メンバーにとってもオーディエンスにとっても待ちに待った特別なライブなのだ。
「僕らの島」、 「happy wonderful friend」、「この歌届け」と、ミディアム・テンポのハートフルなナンバーが続く。飾らないストレートな歌詞と美しいコーラス&ハーモニー……。聴かせるところはしっかり聴かせてくれる、彼らの魅力のひとつだ。
ここで一転、エンタメ・バンドきいやま商店に早変わり。アイパッドを持ち込み、配信を見てるファンからのコメントを読み上げたあと、ステージ上で「すべらない思い出話」のMC合戦(笑)。2019年にコントの公演「きいやま商店大爆笑劇場!」を開催した経験は伊達じゃない。憧れのドリフターズよろしく、会場を大爆笑の渦に巻き込んだ。
バンド・メンバーにフィドルが加わり、新作のミニアルバム『アカサタナ』から、「ぼくらの大冒険」をライブ初披露。曲中のフィドルのソロ演奏のあと、とっておきのサプライズが。
「おーい、ニ〜ニ〜」という声とともに、きいやまの衣装を着たナオト・インティライミが自転車に乗ってステージに登場だ。きいやま愛がダダ漏れな ナオト・インティライミも加わり、「ぼくらの大冒険」のサビを大合唱。
「今日という日をとっても楽しみにしてた! もう雰囲気も最高!」ーナオト・インティライミ
「CD制作しているとき、夜中の2時くらいからメールきて、こんなのどう?って。ナオトは一体いつ寝てるのかなって思った」ーだいちゃん
「思い出のエピソードをメールでたくさん送って、ナオトはしっかり全部読んでくれてた」ーリョーサ
「こうやって「ぼくらの大冒険」もできたんだよね」 ーマスト
「僕は、ニーニーたちのことを誰よりも好きなんです。そんなきいやまの3年ぶりのアルバム制作ということで緊張したよ」ーナオト・インティライミ
「ナオトはもはや、きいやまの4人目のメンバーです」ーだいちゃん
「次作もよろしくおねがいします」ーリョーサ
心温まる4人のやり取りのあと、今回アルバムで制作した手法を用いて、ステージ上で即興で曲を作るというパフォーマンスを披露。「やっと会えたね」をテーマに、制作プロセスでは爆笑をとりつつ感動の名曲が誕生、満場の喝采を浴びた。
極上のレゲエナンバー「Chill Chill」、2015年4月にリリースし「資生堂SEA BREEZE」の CMソングとなったナオト・インティライミのヒット曲「いつかきっと」の2曲をプレイ。演奏中の4人は、まるで公園でサッカーボールを夢中になって追いかけて遊んでいる子どもたちのよう。本当に楽しそうに、ステージ上でキラキラ輝いていた。
ナオト・インティライミが名残惜しそうにステージを去ったあと、きいやま節炸裂の「離れてても家族」、「土曜日のそば」などのおなじみのナンバーや、新曲のラブソング「アノコトバ」など5曲を立て続けに演奏。観客を再びきいやま商店の世界へとグイグイと引き込んでいく。
「新曲の『きいやまのアカサタナ』のミュージック・ビデオ見てくれた?振り付けもあるんですよ。みんなも一緒に踊って」ーだいちゃん
ひと通りダンスの振りをレクチャーしたあと、 「きいやまのアカサタナ」へ。観客は、着席していながらもノリノリでダンスを踊り、ステージ上のメンバーとシンクロしていく。きいやま風のサーフ・ソング「海に行こう」、マストのガットギターのカッティングが炸裂した「じんがねーらん」、フレディー・リョーサ が登場しての「ゆーしったい」と怒涛のロックンロール・ナンバーを披露、「沖縄ロックンロール」で会場のボルテージも最高潮に達し、ギガ盛りワンマン・ライブの本編の幕を閉じた。きいやま商店のライブはこれまで何度も見てきたが、この日のきいやまは格別だ。きいやま、半端ないって。
鳴り止まぬ拍手、サイレントな歓声のなかステージに再登場したメンバー。
「1時間半のライブの予定だったけど、2時間半!!」ーマスト
「楽しすぎて伸びた(笑)」ーリョーサ
「みんな、今日はありがとね〜」ーだいちゃん
アンコール一曲目は、「明日はくる」。そして、きいやま商店の原点ともなった「さよならの夏」、曲のエンディングで再びナオト・インティライミも登場し、出演者全員のカーテンコールでCD発売記念ライブを締めくくった。
120%の力でアプローチした「きいやま商店 アカサタナハマヤライブ 〜みんなの大冒険〜」、「笑えて 泣けて チルれる」を地でいく、きいやま商店の魅力が満載の素晴らしいライブだった。会場を後にするオーディエンスはみな笑顔で溢れていた。きいやま商店のライブでハートにエナジーをチャージしたに違いない。太陽のまつりのようなコンサートの帰り、南国沖縄の夜空には、ハーフムーンが浮かんでいた。
この「きいやま商店 アカサタナハマヤライブ 〜みんなの大冒険〜」を見逃した方に朗報。配信プラットホームMUSERにて、アーカイブ視聴が可能だ。ぜひ、この音楽のパワーに溢れたライブを堪能してみてはいかがだろうか。