上野優華、1年5か月ぶりの有観客ライブ開催&10月から全国ツアー決定
昨年は春に予定したツアーを秋に延期し、そのツアーも結局は中止に。今年2月に予定されていたライブも開催直前に発出された緊急事態宣言を受けて今回の7月に振り替えられ、念願の有観客ライブとなった。
昼夜2公演で行われた本公演。1部の1曲目は自身が作詞をした「君までの距離」で幕を開けた。「久しぶりに会いに行くから」というフレーズから始まる楽曲を1曲目に持ってきたことからも、この日を待ちわびたことがうかがえる。冒頭の歌詞を歌い終えた後、イントロに乗せて、久しぶりに顔を合わせるファンに向けて「みんな久しぶり~!」と喜びを爆発させ、ファンは呼応するように大きな拍手で出迎えた感動の瞬間だった。
続く「チャンスのタイミング」ではファンを立たせてクラップを煽り、さらに新曲「君の街まで」とアップテンポな楽曲を立て続けに披露。近年、失恋・片想いソングを中心に歌っている上野優華だが、こうしたアッパーな楽曲でグイグイ引っ張っていくのもライブならではの楽しみだ。
最初のMCでは「今までとは違うライブの形になってしまうんですが、変わらず私の歌を皆さん一人一人に精一杯届けようと思います!」と話し、7月24日でデビュー8周年を迎える上野優華は、自粛期間中に発表された2枚のアルバムからの新曲と定番ソングを織り交ぜ、「冬色シルエット」「こっちをむいて」「チョコレート」と得意とする恋愛ソングを次々に歌い上げていく。バンド編成による時に激しく、時に切なく壮大なアンサンブルは、ファンの心に寄り添うように歌い上げる上野優華の歌声を見事に支えていた。
ライブ中盤ではYouTubeで450万回再生を突破し、代表曲ともいえる「好きな人」、続けて「空」を弾き語りで披露。「8年間活動できていることはファンの皆さん、一緒にステージに立ってくれているバンドメンバー、お世話になっているスタッフさんみんなのお陰です。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!」と想いを伝えた。
再びバンドメンバーを迎えて定番曲「はじまりのうた」で盛り上げ、最新曲「好きが残った」では失恋した主人公の想いを情感たっぷりに歌い、人気曲「あなたの彼女じゃないんだね」、「星たちのモーメント」と上野優華の真骨頂ともいえる歌唱力と表現力を最大限に発揮する楽曲が続き、本編のハイライトとなった。
「この8年間いろんな出会いがあって、その分いろんな別れもあって、その中で私らしく歌を歌って活動できたのもみんなのお陰だし、まだまだ歌っていきたい。1年半できなかったライブというこの幸せな時間をまたこれから取り戻すようにたくさん積み重ねていけたらとても嬉しいです。これからも上野優華は続くので、是非ついてきてください!」と宣言し、ファンへの誓いを歌にした「やくそく」で本編を終えた。
アンコールでは6月9日にリリースされた新アルバム「ヒロインにはなれなくて」のリリースツアーの開催も発表。全国10か所18公演の過去最大規模となるツアーに、「まだまだ続いていくからね、全国いろんなところで会いましょう!」と意気込みをのぞかせた。
アンコール1曲目は今年3月にリリースした「愛しい人、赤い糸」。自粛期間中にSNSで出会った「魔法の絨毯」という楽曲に感動し、同曲を歌う川崎鷹也へ楽曲提供を依頼し実現したラブソングだ。自身で作詞も多く手掛ける上野優華だが、シンガーソングライター提供の楽曲を見事に自分色に歌い上げるさまはシンガー・上野優華の本領といえる。
1部のアンコールラストはこの1年半の間続けてきたオンラインライブの中で定番となった「メロンパンのうた」。ロマンチックな歌詞とギターのカッティングが印象的なミドルテンポの楽曲で、メンバーもファンも終始笑顔溢れるステージで締めくくった。
2部は「こっちをむいて」からスタート。1部とはうって変わって抒情的な世界観から始まった。椅子に座り、しっとりと感情的に歌い上げる上野優華の姿が印象的だった。1部では披露しなかった楽曲を何曲も歌い、8年間の集大成を魅せた。この日の大ラスは「好きな人」に並び、上野優華の代表曲と言える「星たちのモーメント」を披露。
イントロでステージ後方の幕が全開となり、ガラス張りの会場には東京の夜景が一面に広がった。まるで星空のようなネオンと会場の照明も相まってこの日一番の印象的な演出となった。計30曲を歌い続ける上野優華の歌声はますます冴えわたり、歌詞に出てくる「一人じゃない」というフレーズが会場、そして配信を見ているすべての人たちの心に突き刺さったのは間違いない。
最後に「また今日みたいな幸せな瞬間をみんなと積み重ねていけるように9年目10年目と頑張ります!今日はありがとうございました!またね~!」と言って深々と頭を下げてステージから去った上野優華。まだまだ進化を予感させる次のステージも見逃せない。