ユスフ(キャット・スティーヴンス)、9月に名作『父と子』50周年記念の再レコーディング盤リリース
1970年にリリースされたユスフ(キャット・スティーヴンス)のアルバム『父と子』(原題:Tea for the Tillerman)は、全米アルバム・チャートTOP 10入り、マルチ・プラチナの大ヒット、世界ブレイクのきっかけとなった重要なアルバム。キャリアを通しての代表曲「ワイルド・ワールド」や「父と子」(原題:Father And Son)などを収録することでも知られる。アルバム発売50周年を記念して、現代的解釈で再レコーディングしたニュー・アルバム『父と子2』(原題:Tea for the Tillerman²)が9月18日にリリースされる。
また、『父と子2』から2曲目の先行トラック「オン・ザ・ロード・トゥ・ファインドアウト」(原題:On The Road To Find Out)がリリースされ、ミュージック・ビデオも公開された。
自分探しの旅と自己改革。50年後の新たなアレンジは、1970年のオリジナル・ヴァージョンのアコースティックでフォーキーなアレンジと大きく異なる、より深く内省的なトーンに包まれている。リード・ヴォーカルを取るユスフの声はふくよかでありながらもザラザラと、彼の長年のファンが親しんできた声よりは低いかもしれない。その歌詞は、ユスフが“形而上学的な旅”に出て以降、得た知恵、積んできた経験を通じ、より重みを増しているようだ。
「オン・ザ・ロード・トゥ・ファインドアウト」のミュージック・ビデオは、ビリー・アイリッシュやサンダーキャットのMVで知られるキンバリー・スタックウィッシュとメローラ・ドナヒュー(Invisible Inc.)がディレクターを務めている。5月に先行リリースされた「子供達の園はどこへ?」(原題:Where Do The Children Play?)のMVと同じく、今回も環境に配慮したアプローチで制作され、すべて自然光を使用し、発電機や電力は使っていないという。
アルバム発売50周年を祝う記念として制作された『父と子2』だったが、アルバムへの期待は驚くほど高まってきている。アルバム全曲を再考し、再録音する、というアイディアは、ユスフと息子ヨリヨスとの話し合いの中から生まれた。結果は音楽が物語る。ユスフは当時プロデュースを手掛けたポール・サミュエル=スミスに連絡をとり、2019年の夏の1週間、南仏のラ・ファブリーク・スタジオでレコーディングが行われた。ミュージシャンは、アラン・デイヴィス(G)、ユスフの現在のライヴでのバンド・メンバーであるブルース・リンチ(B)、エリック・アパピュレー(G)、クワメ・イエボア(Perc, Key)、そしてジム・クリーガン(G)、ピーター・ヴェテッシ(Key)などが参加している。
ユスフ(キャット・スティーヴンス)の人生とキャリアは、無限に広がる道を彼に歩ませてきた。それでいてメッセージの中心にはどんな時も人間らしさがあった。人と人の間に平和と理解をもたらし、人と自然との調和を求める者にとって、暖かく、心和ませる音楽の光を放っている。それはユスフの音楽だけでなく、彼が献身的に取り組む「ピース・トレイン・プロジェクト」などからも伺える。