音楽業界における“新型コロナ”の影響と取り組みとは?〜音楽ディストリビューションサービスの場合〜
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、多くのライブや音楽イベントが中止・延期を余儀なくされている。また、その影響はCDなどのリリースにも及んでおり、店舗の営業自粛や外出自粛の余波で発売延期を発表するアーティストも少なくない。
その一方で、アーティストたちは様々な形で“世の中を元気付けよう”と活動している。多くの有名アーティストが貴重なライブ映像などを無料で公開しているのを始め、これまでサブスクリプションでは聴くことの出来なかったアーティストの曲が次々と解禁されている。
また、SNSでは星野源がInstagramに、楽曲『うちで踊ろう』を弾き語る動画を投稿し「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼びかけたことで大きなコラボレーションの輪が生まれたことを始め、SNSを使って様々なアーティストが“バトン”を繋ぎ、その歌声やラップを披露するなどといったムーブメントが起こっている。
このような現状を踏まえ、現在の日本の音楽配信市場はどのような状況にあるのだろうか。
誰でも自分の曲を世界185カ国以上の配信ストアで配信販売でき、楽曲の売上から配信ストアの手数料を除くすべての収益をアーティストに還元、原盤譲渡不要など、“アーティスト・ファースト”を謳うデジタル音楽ディストリビューションサービス「TuneCore Japan」の担当者に聞いた。
ー音楽配信のプラットフォームというお立場で見る、新型コロナウイルス感染拡大の影響はどんなものがあるでしょうか。
やはりライブ等オフラインの活動ができない中、家での制作活動はこういった状況でも出来ることでもあるので、配信作品の数は平時よりは増えているかと思います。また、他にこのような状況でできることとして、フィジカルでしかリリースしていなかった過去の作品を改めて配信リリースするといった動きもあるようです。
ーTuneCore Japanとして、新型コロナウイルス感染拡大に伴う取り組みは何かされているのでしょうか。
TuneCore Japanとしては、“STAY TUNE, BE STRONG” と題し、インディペンデントアーティストの活動支援・サポートにつながるであろう知見のシェア、そしてTuneCore Japanの全サービス無償提供を行わせていただいています。
ー現在の状況を受けて、アーティストが起こしているユニークなアクションがあれば教えてください。
TuneCore Japanには、リリースにともなう楽曲収益を自動で分配できる“Split”(スプリット)という機能があるのですが、その機能を活用し、影響を受けている関係各所にドネーション(音楽シーンへの金銭的な寄付)を行う取り組みもあるようです。
ーユーザーの皆さんへのメッセージなどお聞かせいただけますでしょうか?
こういった状況の中、少しでもアーティストのみなさまへの活動支援になればと、現在“STAY TUNE, BE STRONG”の取り組みを行わせていただいております。音楽という芸術の素晴らしさを後世につないでいくためにも、引き続いてアーティストのみなさまのお役に立つサービスを行ってまいります。