乃木坂46、デビュー13周年を祝うバスラを開催!フレッシュな6期生も登場で“新生・乃木坂46”が本格始動
事前の天気予報では雨が懸念された2日間だったが、ここ数年の明治神宮野球場公演同様に現メンバーの“晴れ女”ぶりを遺憾なく発揮。DAY2の18日公演は若干の蒸し暑さと涼しい風が混じり合う中、バースデーライブにふさわしくカラーガード隊を従えた壮大な演出でライブは幕を開ける。ギフトボックスを彷彿とさせるメインステージやアリーナ後方のサブステージ、スタンド席通路など至る場所からメンバーが次々に登場すると、中西アルノの「バースデーライブ2日目、みんな騒げ!」を合図に「太陽ノック」からライブは本格的にスタート。3〜5期生の面々は満員のスタジアムに向けて、華やかなパフォーマンスとともに熱気を高めていく。続く「走れ!Bicycle」ではメンバーがフロートやトロッコに乗車し、大規模会場を回遊。「君に叱られた」「チートデイ」「ジコチューで行こう!」といった人気のシングル曲を交えながら、ファンと交流を図っていく。そして、最新シングル「ネーブルオレンジ」ではダブルセンターの井上和&中西が美しい歌声でオーディエンスを魅了した。
最初のMCで中西が「緊張しちゃったんですけど、頭のブロックからぶち上げだったので、この調子で今日1日駆け抜けていきたいと思います」、キャプテンの梅澤美波が「今日はありったけの愛と感謝を伝えていきます!」と伝えると、ライブは次のブロックへ移行。ここからは46分間ノンストップメドレーという、乃木坂46史上初のチャレンジに挑む。DAY1とはまったく異なる選曲で届けられるこの日のメドレーでは、「おいでシャンプー」や「制服のマネキン」を筆頭にグループの歴史をたどりながら、代表曲や隠れた名曲を次々と披露。スクリーンで46分からゼロに向かってカウントダウンが続く中、期や選抜、アンダーといった枠を超えたメンバー構成で、序盤は卒業メンバー在籍時のバースデーライブ映像を交え、先輩への敬意を込めて初期の楽曲を届けていく。中でも、遠藤さくら&賀喜遥香による「孤独兄弟」や池田瑛紗がセンターに立つ「ここにいる理由」など、そのポジションに歴史の継承など意味を感じさせるものも多く、曲が切り替わるたびに客席からは大歓声が沸き起こった。
メドレー中盤では菅原咲月がセンターで鬼気迫るパフォーマンスを見せた「命は美しい」、久保史緒里や林瑠奈、中西といった歌唱力に定評のあるメンバーによる「今、話したい誰かがいる」、岡本姫奈が堂々としたセンターを務めた「風船は生きている」など、2010年代半ばの楽曲が続き、以降も筒井あやめ&川崎桜のダブルセンターで曲に新たな空気を封じ込めた「逃げ水」、五百城茉央がポジティブなオーラを放つ「帰り道は遠回りしたくなる」、一ノ瀬美空が敬愛する先輩のポジションを立派に務め切った「僕は僕を好きになる」と、乃木坂46の13年にわたる歴史を現在進行形のスタイルで提示。数曲ごとに着替える衣装の多彩さも圧巻で、こういったところにもグループがここまで大切にしてきたものをしっかり感じ取ることができた。そして、メドレー終盤はタオルを振り回しながら一体感を作る「好きというのはロックだぜ!」を筆頭に、ライブを重ねるたびに強靭さを増す松尾美佑センターの「踏んでしまった」とアップチューンも用意され、最後は遠藤の儚さが際立つ「歩道橋」で46分/全26曲におよぶノンストップメドレーを締め括った。
怒涛のメドレーを完遂したあとは、13歳の誕生日をお祝いする「Happy Birthday to You」の合唱を経て、遠藤や中西を中心とする青組、賀喜や井上を筆頭とした赤組の2チームに分かれてパフォーマンスに挑む。それぞれのチームカラーの衣装を身にまとい、青組は「Actually…」「ごめんねFingers crossed」、赤組は「おひとりさま天国」「I see…」と、月と太陽をイメージさせる対照的な選曲とパフォーマンスを見せる。さらに、2組がステージ上に勢揃いすると、井上&中西ダブルセンターによる「インフルエンサー」を披露。ステージ上手側を赤組、下手側を青組が陣取ると、これに合わせるように客席のペンライトも色もくっきりと二分することに。そして、赤と青が混ざり乃木坂46のイメージカラーである紫色が出来上がると、グループ初期の代表曲「君の名は希望」を全員で歌い上げてこのブロックを終えた。
ライブもいよいよ後半戦に突入すると、ステージ上にはついに6期生が登場。DAY1こそ緊張を隠せない様子だった11人だが、この日は笑顔を浮かべて観客の声援に応える。そして、矢田萌華をセンターに据えた「タイムリミット片想い」が始まると、会場のボルテージは急上昇。続いて5期生が「バンドエイド剥がすような別れ方」、4期生が「ジャンピングジョーカーフラッシュ」で、会場の熱量をさらに引き上げると、3期生が「三番目の風」でその熱気をさらにヒートアップさせる。そして、「設定温度」で3期生から6期生までのこの日のライブ参加メンバー39名がついに勢揃い。1期生が結成当初から紡いできた歴史をしっかりつないでいることが伝わる、感動的な歌とパフォーマンスでオーディエンスを歓喜させた。
DAY1では6期生春組の5名が挨拶したMCパート、この日は夏組6名が1人ずつメッセージを届けていく。この中で、本日19歳の誕生日を迎えた鈴木佑捺へ向けて会場の全員で「お誕生日おめでとう!」と祝福する一幕も。鈴木は「19歳はもっとたくさんのことを吸収して、ファンの皆さんに見せていただいたこんなに素敵な景色を忘れないように頑張っていきたいと思います」と、瞳を潤ませながら感謝を伝えた。
39名による新生・乃木坂46によるパフォーマンスが始まると、矢田をセンターに据えたデビュー曲「ぐるぐるカーテン」を筆頭に、「ガールズルール」「Sing Out!」「Monopoly」とライブに欠かせないシングルナンバーを連発。そして、中西が「38枚目シングル選抜発表のとき、和が『それでも私は乃木坂が大好きだから』と言ってくれたよね。そのまっすぐな言葉が、今日ここまで私を導いてくれた」と井上へ感謝を伝える。そして、涙ぐみながら「あの日、私は言えなかったんだけど、私も乃木坂が大好きなんです! 私は乃木坂46の13年の歴史の、ほんとちょっとしか知らないんですけど、それでも今のこの乃木坂が絶対最強だって言いきれます!14年目も頑張りますので、どうか見守っていてください」と伝え、「他人のそら似」をメンバー全員で歌唱。曲後半ではステージ後方やスタジアム外周から無数もの花火が打ち上がり、最高のフィナーレを迎えた。
鳴りやまない声援の中「ハウス!」から始まったアンコールでは、ステージやスタンド席通路などから登場し。トロッコやフロートも使い、会場一帯にメンバーが散った状態でファンを喜ばせていく。以降も「ダンケシェーン」「そんなバカな…」といったライブ定番曲が連発され、メインステージにメンバーが再び勢揃いすると、「空扉」で一体感の強いパフォーマンスを見せる。曲中、梅澤が「皆さんがいて叶えられた夢がたくさんあります。これからもそばにいてください!」とファンに伝える場面もあり、2日間のクライマックスにふさわしい盛り上がりを見せた。
最後の曲に入る前、梅澤から「皆さんにお知らせがあります」と告げられると、毎年夏恒例となった全国ツアー「真夏の全国ツアー2025」開催を発表。今年は7月から9月にかけて北海道、静岡、大阪、宮城、福岡、香川、東京の7都市16公演、東京公演はお馴染みの“聖地”明治神宮野球場で、9月4日~7日の計4日間にわたり実施される。
2日間を振り返るコメントを求められると、6期生の瀬戸口心月は「先輩方と初めてのライブでずっと緊張していたんですけど、ステージで先輩方の大きな背中を見て、本当に乃木坂46の一員になれたんだなと実感しました」と喜びを噛み締めながら発言。続いて、5期生の菅原は「1年前のバスラとは自分の立場も変わって、後輩も入ってきて。6期生ちゃんのおかげで自分もよりしっかりしなくちゃとか、いろんな気持ちが芽生えてきました」、4期生の賀喜は「乃木坂に加入してから6年半経って、ちょうど歴史の半分。これからの乃木坂を作っていけるのは私たちなので、胸を張って私たちが乃木坂46だと言えるなと思いました」、3期生の久保は「今回のステージに立っていて、私は皆さんに認めてもらいたかったんだなってことをすごく感じて。乃木坂を愛してきた時間とかを少しでも求めてもらえた気がします」と思い思いの言葉を紡いでいく。
そして、梅澤が「皆さんにお力をお借りして、皆さんへの感謝を伝えたい」と告げると、座席に印が付いている人のみペンライトを掲げ、会場に乃木坂46のロゴと「アイシテネ▽」の文字が浮かび上がる。このサプライズに客席が湧き上がると、再び梅澤が「すでにたくさんの愛をもらっているんですけど、14年目を歩んでいく私たちに皆さんの力が必要です。これからもよろしくお願いします」と伝え、「乃木坂の詩」にて2日間にわたる祭典を締め括った。6期生の合流により、いよいよ新生・乃木坂46が本格的に始動した2025年5月。ここから夏に向けて、さらに勢い付いた彼女たちの姿を目撃することになりそうだ。
(文/西廣智一)
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