映画『3月のライオン』後編舞台挨拶で神木隆之介が涙。「感謝の気持ちでいっぱいです!」
作品の見どころについて神木は「衣装」と演じた零のファッションを挙げて「僕が着るダッフルコートの色にも何種類かあって、シーンの雰囲気で色が変わっている」と演出面での細部のこだわりを紹介。演技面では「前編・後編の間は少しだけ時が経っているという設定なので、後編では前編に比べて歩く速度や姿勢も変えました。それによって心に余裕ができ始めた感情を表現したかった。対局維持の姿勢やスピードにも注目して」とアピール。それに伊勢が「自分のシーンが一番好きなんですって!」と茶々を入れて、神木が「言い方!言い方!」と慌てて笑わせる一幕もあった。
そんな伊勢谷は「棋士の皆さんが緊張感を持って人生をかけて将棋を打っているのを感じた。そんな戦いのオーラからこの映画のファンになった。神木君じゃなければこの役は出来なかったのではないかと思う。もう単なる一ファンのオジサンですよ」と感想。将棋初心者という加瀬は「将棋に関する動きは一から教わりました。撮影では駒を指す手元だけを映すのかと思ったら、ずっと長回しの演出だったので予想以上に疲労。結構しんどかったですね」と舞台裏を明かした。
また対局シーンについて神木は「撮影に入る前にどのような手で指すのか、その理由を含めて教わるけれど、演じる中では自分が実際に考えて指しているような感覚にするために、教わった事を捨てる作業が必要でした。そこに葛藤があった」と回想。伊勢谷は「それがあるからリアルに映るんでしょうね」と感心しながら「それも含めて、この映画の素晴らしさをぜひ伝えたいですね」と一ファンとして代弁していた。
清原と倉科は川本家での食事シーンをピックアップ。清原は「食事のシーンは休憩中からにぎやかで毎日楽しかった。友達から『リアルに見えるよ』と言ってもらえました」と身近な反響にニッコリ。倉科も「食べることは、生きることや楽しむことに繋がる。それが食事のシーンに詰まっている」と述べると、神木は「食事は本当に美味しかったです。ずっと食べていました。零を大食漢イメージにしたかったので、大口で食べました」と話した。一方の前田は「撮影はずいぶん前だから忘れちゃったなぁ。俺はもう70歳を超えているからね」と笑わせつつ「大友監督は俳優の魅力を引き出すのは日本一だね。黒澤明監督の孫がここに誕生しましたよ!」と大絶賛だった。
有村は川本家で起こる感情を揺さぶるシーンを挙げて「ひなちゃん(清原)がイジメに合いながらも、自分のやったことは間違っていないというシーンは胸がグッと苦しくなった」と感想。大友監督は「ラストも、これで終わりというラストシーンではなく、これから始まるというラストにしたかった。それぞれのシーンが観客の皆さんの心に残って続いていくといい」とメッセージした。
また舞台上では、後編大ヒット祈願の鏡開きを敢行。しかし酒樽の中には映画にちなんだ観客へのサプライズプレゼントと謎めいた赤い封筒が…。その封筒の中には、6月17日より中国で開幕する第20回上海国際映画祭パノラマ部門への正式出品と史上初の2夜連続プレミア上映決定の一報が封入されていた。
サプライズで知らされた神木は「何の手紙なのかと思った~」と知らされていなかったドキドキを口にするも「嬉しい、沢山の方に見てもらいたい。史上初ですか…しかも2夜連続。“史上初”って響きが嬉しい。幸せなこと。皆さんに本当に感謝です」と嬉しそう。そして神木は「無事に前後編の二部が公開されて…僕らの手元から離れて映画は皆さんの作品になりました。これからも愛情を持って見守ってほしい」と公開までの道のりを思い出すかのようにウルウルと目を細めながら「感謝の気持ちでいっぱいです!」と思いのたけを言葉に託していた。
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会