前田敦子、AKB48卒業から約10年が経った現在地から見る女優としての成長と活躍
AKB48在籍時からドラマ『花ざかりの君たちへ ~イケメン☆パラダイス~ 2011』(フジテレビ系)や映画『もしドラ~もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら~』(以下、『もしドラ』)といった話題作へ出演を果たし、『もしドラ』で「第35回日本アカデミー賞 話題賞(俳優部門)」を受賞するなど、女優としての才覚を発揮していた前田。2012年にAKB48を卒業してからも『Seventh Code』や『町田くんの世界』など多数の作品に出演し、2022年には『アクターズ・ショート・フィルム2』で短編映画の監督も務めるなど、多方面で活躍を見せている。
2019年に公開されたウズベキスタンという異国の地で成長していく姿が描かれた映画『旅のおわり世界のはじまり』では“舞台で歌う”という夢への情熱を胸に秘めたテレビリポーター・葉子役を演じた前田。公開記念舞台挨拶では、黒沢清監督も驚いてしまうほどスリリングな“絶叫遊具”に前田が挑戦し「大変なことになりました」とも語っており、こうした新しいことに果敢に挑戦する姿勢が前田を大きく成長させたのではないだろうか。同作を含めた3作において前田はこの年、「第11回TAMA映画賞 最優秀女優賞」を受賞するなど話題を呼んだ。
2022年には『夜の女たち』でミュージカルに初挑戦を果たした前田は、公式コメントにて「わからないことだらけ」と初めてのミュージカルの戸惑いを見せつつも、「いまは新しいことをやっているな!という気分です」と意気込みを覗かせ、新しい挑戦を楽しんでいるようだった。また、同作で共演した江口のりこについては大好きな人物として挙げており、「共演できてとっても嬉しいです」と明かしていたが、憧れの人物との共演は前田にとって刺激となったのではないだろうか。
そして10月公開の映画『もっと超越した所へ。』では、バンドマン志望の彼氏を持つダメ恋愛体質なデザイナーの岡崎真知子を演じており、Sexy Zoneの菊池風磨との恋愛模様が描かれる。自立しているが、ちょっとかわいいダメな男の子を引き受けちゃう姉御肌な女の子という新たな役どころを演じる前田は「女子のフラットな部分を持っているキャラクターなので、多くの方々に共感してもらえると思います」とコメントを寄せていた。本作は、これまで様々な役柄に挑んできた前田にとっても大きな挑戦となりそうだ。
また、WOWOWオリジナルドラマ『ウツボラ』にて主演を務めることが発表され、前田は人気作家・溝呂木を翻弄する双子の「朱」と「桜」を一人二役で演じる。キャスティングにあたって原作者の中村明日美子は「前田敦子さんならぜひ」と快諾したようで、前田への期待の高さがうかがえる。前田も「2人を演じさせていただける事、本当に嬉しいです」と喜びのコメントを寄せており、話題作を多くの経験を積んできた前田がどう演じるのか注目だ。歳を重ねるごとに、女優としての深みを増しつつある前田の活躍に目が離せない。