磯村勇斗、初主演映画『ビリーバーズ』は“大切な作品”思いを語る「今後の俳優人生において…」
同作は、人気漫画家・山本直樹氏が、1980年代から90年代にかけて大きな社会問題として顕在化した“カルト”的な宗教団体をモチーフに、その独創的な感性と世界観で人間の欲望をあぶり出した人間ドラマ。磯村、北村、宇野が、“安住の地”へ行ける日に思いを馳せながら孤島で共同生活を送る、宗教団体の2人の男と1人の女を演じる。
同作で映画初主演を果たした磯村。心境を尋ねられると、撮影は1年前に行われたといい、「それがこうやって形になって、今ようやく公開できるということで、僕自身も嬉しいです。何よりも、城定監督と出会い、宇野さん、北村さんであったり、他のスタッフ、キャストと共に、この映画に携われたこと、そして、上映まで運んでくださった配給のみなさん、宣伝のみなさんにも本当に感謝をしています。みんなの協力があって、ようやくここまで、たどり着くことができたのかなと思っています」と感謝。「映画は、お客さんがいて、ようやくパズルが揃うと思うので、すべてみなさんに委ねたいと思います」と満員の観客に声をかけた。最後に、「とても嬉しく思っています」と喜びを言葉に。
「自身にとって、どんな作品になった?」との質問には、磯村は、「初主演映画が『ビリーバーズ』でよかった」といい、「大切な作品になりました」とも。普遍的な作品よりも「挑戦的な作品を好んでしまう」と告げ、「今後の俳優人生において、原点に戻るときに、『ビリーバーズ』の現場を思い出したり、宇野さんの顔を思い出したりして、『また頑張ろう』と思うのかなと思います」と声を弾ませた。
そんな磯村の印象について、北村は、「こっちに気を遣わせない気遣いが本当に上手」と指摘。「磯村さんの人間性が現場で表れていたのかなと思っていました。大変なシーンが多かったのですが、たくさんケアして頂いて、支えてもらったなと思っています」と振り返った。
宇野も、「本人が魅力的なんだと思います。北村さんがおっしゃったように、終わってから『気遣いだったな』と感じるのですが、その時はもう、全然、そんなふうには思わなくて」と磯村を絶賛。「僕が『コーヒーを飲みたいな』と思ったときに、(磯村が)コーヒーを買ってきてくれたのは、なんでなんだろう」と、真顔で悩み込むシーンも。磯村は、「宇野さんの顔に、コーヒーって書いてあったんですよ。『宇野さんも、そろそろ、コーヒーを飲みたいタイミングなんだろうな』と思って、コーヒーを差し入れしました」と軽快なトークを披露。宇野は、「すごいなと思ったんですよね」と、驚き顔で語った。
トークでは、“最近見た夢”が話題に。磯村は、「科学的に証明されていないので、うまく言えないのですが、予知夢をけっこう見るんですよね」と明かした。「現場の未来」を見るといい、『ビリーバーズ』に関しても、磯村、宇野、北村の3人が一緒にいる場面の夢を相当前に見ていたそう。「最近、そういうのが続くので、共演者とどこかの現場で撮影していることは、ちゃんとメモにしておこうと思って、取ってあるんです」と語った。
また、映画の内容にちなんで、「これだけは捨てられないという欲は?」との質問が向けられる場面もあった。磯村は、「作品的には『性欲』って言ったら面白いかなと思うのですけど、さっき、その話をしたら、宣伝部さんから、『絶対に言っちゃいけません!』って、ものすごく怒られたんですよね」「『そういうことじゃない。そこで売るんじゃない。トピックスを作るな』と。これ言ったら、そうなっちゃうんですけどね」など、舞台裏でのひとコマを明かして笑いを誘った。その上で、「やっぱ、購買欲じゃないですかね。ストレスとかが溜まったりしちゃうと、物を買ってしまったり、旅行とかに出かけた時に、お土産ショップで、すごく色んなものを買っちゃうんですよね」などと付け加えていた。