『僕の大好きな妻!』主演の百田夏菜子、アイドルの枠を越えた1人の女優として輝き
人気アイドルグループ・ももいろクローバーZのリーダーである一方で、女優としての活動も意欲的に行っている百田夏菜子。本記事では、ドラマ『僕の大好きな妻!』(フジテレビ系)にて連続ドラマ初主演を務めることが発表されるなど、芝居の面でも才能を発揮している彼女の“女優”としての飛躍にスポットを当てたい。
2015年に公開された映画『幕が上がる』にて、同作品に出演したももいろクローバーZのメンバーらと共に、『第40回 報知映画賞』の特別賞を受賞した百田。その後も、2016年にはNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインの親友役を演じ、2019年放送の読売テレビ開局60年スペシャルドラマ『約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~』では主演の土屋太鳳とアイドルユニットを組み、往年の名曲を熱唱するなど自身の経験を存分に活かした役どころを好演。着実に活躍の場を広げながら、女優としての存在感を増している。
さらに、昨年に公開された映画『すくってごらん』では、実写映画初ヒロインにも挑戦しており、公式サイトに「初ヒロインのほかにも私にとって初めての挑戦もたくさん詰まっています」といったコメントも寄せている。その言葉の通り、この作品では“金魚すくい屋を営む、秘密を抱えた美女”といった役柄を大人な佇まいで演じ、パワフルなパフォーマンスを見せるアイドルとしての姿とは全く異なる姿を披露した。
また、同作の主題歌は百田がヒロインとして歌っているが、監督からは「百田夏菜子の要素を一文字も出すな」というオーダーを受けたとして、試行錯誤を繰り返して長時間に及ぶレコーディングを行ったという。芝居だけでなく、音楽の面からも“自分以外を演じる”という新境地と向き合った本作は、百田の表現の幅を大きく広げた作品となったのではないだろうか。
2011年には、自身のブログにて「演技でもたくさんの人に感動を与えたり、 笑顔にできたり、いろんなジャンルで人の心を動かせる人になるのが夢…」といった言葉を記していた百田。そんな彼女は、アニメ『おジャ魔女どれみ』の20周年を記念して制作された映画『魔女見習いをさがして』(2021年)では、声優としてメインキャラクターの1人も演じている。
その声の演技に対し、ネット上からは「百田夏菜子の声優業上手すぎて驚いた」「声と演技ほんと好きだしまた泣いた」「役にどハマりで感動」「普通に声優さんかと思ったよ!」といった絶賛の声が多く寄せられており、枠にとらわれない演技力を培っていることがうかがえる。ブログを書いた当時は、“まだまだ遠い夢”とも綴ってた百田だが、あれから10年以上の時が経った今、彼女の実力は着実に人々に感動を与えられるものへと成長しているのではないだろうか。
そして満を持して、6月4日より放送が開始されるドラマ『僕の大好きな妻!』では、主演として発達障害を抱えながら、それでも前を向いて歩く主人公・北山知花を演じる。公式サイトのコメントでは、今回の起用について「私にできるのだろうかと正直不安もありました」といった心境を明かした上で、作品の中の“互いに認め合う優しい世界”の存在に感動したとも語っている。
目に見えない障害を持った女性という難しい役どころを、百田がどのように演じるのか。そして自身が同作に感じた感動をどうやって視聴者へ伝えるのか。この作品を経て、彼女はまた一歩“人の心を動かせる人”といった理想の姿へと近づくことだろう。そんな百田の女優としてのこれからの飛躍を、ぜひ見守っていきたい。