乃木坂46山下美月、朝ドラ『舞いあがれ！』出演決定から見る“女優”としての成長と存在感

山下が女優として一躍注目を集めることになったのは、連続ドラマ初主演作となった2019年放送の『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』（テレビ東京系）だろう。本作は西野七瀬が主演を務めた『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』に続く第2弾となっており、山下は、悪女的な魅力で人々を魅了し翻弄する“ビデオガール”神尾マイを演じた。この“悪女”といった役柄について、山下は当時のブログで「今までに演じたことの無い役なので 試行錯誤を繰り返しながら 監督と何回も相談して 前作とはまた違ったビデオガールの世界観を作っています」と綴っており、入念な役作りで、前作と異なる新しいヒロイン像を作り上げたことがうかがえる。

続く2020年には、ドラマ・映画化された話題作『映像研には手を出すな！』に出演。同作品では、同じグループのメンバーである齋藤飛鳥、梅澤美波と共演した山下だが、当時この3人で出演した『乃木坂46のオールナイトニッポン』では、撮影前はあまり接点がなかった齋藤と山下・梅澤が、撮影を通じて徐々に距離を縮めていき、打ち解けていったことが明かされている。また、公式サイトに寄せたコメントでは「この作品に触れて、フィクションには夢と希望と情熱が詰まっていると大きな衝撃を受けました」と綴っていた山下。乃木坂46のメンバーと共にメインキャラクターの1人を演じきったこの作品は、山下にとって、女優業への刺激を与えるものだったのかもしれない。

さらに山下は、バラエティ番組『あざとくて何が悪いの？』（テレビ朝日系）で見せた演技が話題となるなど、“あざと可愛い”キャラで新境地を見せる。そして2021年放送の『着飾る恋には理由があって』（TBS系）では、熱意もやる気もあるが、それを表に出せない“低温女子”茅野七海役を演じ、同ドラマのスピンオフ作品では、自分に自信を持てない七海が、次第に情熱を取り戻していく姿を好演。そして、同年に放送された『じゃない方の彼女』（テレビ東京系）では、男性を翻弄する“天然系魔性”の女子大生・野々山怜子を見事に演じきり、視聴者を“怜子沼”に引き込んだ。2021年に出演したこれらの作品により、“女優・山下美月”としての魅力がより多くの人に伝わったのではないだろうか。

そんな山下が、『舞いあがれ！』で演じるのは、福原遥演じるヒロインの岩倉舞の親友・望月久留美。公式サイトのコメントでは「久留美と一緒に私自身も成長し、ご覧いただく皆さんに前向きで温かい風をお届けできるよう全力で演じさせていただきます」と意欲を覗かせている。真摯に役へと向き合い、女優として存在感を高めてきたことが、朝ドラ出演という成果に結びついたと言えるだろう。この作品で山下が見せる演技にぜひ期待したい。