上白石萌音、『カムカム』『千と千尋の神隠し』話題作への出演が続く若き実力派女優の輝き
2016年に公開されて大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』で、ヒロインの宮水三葉役の声優をオーディションでつかみ取り、一躍注目を浴びることとなった上白石。その後、2020年に放送されたTBS系ドラマ『恋はつづくよどこまでも』や、2021年放送のTBS系ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』などの話題作に出演し、恋や仕事に一生懸命に奮闘する等身大の女性を演じて、視聴者から多くの支持を集めた。
その一方で、“女優・上白石萌音”としてのあり方に悩んだこともあったようで、前述の『恋はつづくよどこまでも』でクランクアップを迎えた際のコメントでは、「私は名前ばかり最初にあって、何も出来ず支えていただきっぱなしだった」と撮影を振り返っていた。しかし同時に、主人公・佐倉七瀬役との出会いや、共演者との撮影を経て多くの“気づき”を得ることができたとも語っている。さまざまな経験を糧に、演じる役柄と重なるように成長していく姿が、彼女の魅力の1つなのかもしれない。
そんな上白石は、『カムカムエヴリバディ』で、かねてより大きな目標だったというNHK連続テレビ小説への出演を果たす。時には恋する少女、そして時には娘を思う母親として“安子”の人生を見事に演じきった姿は多くの反響を呼んだようで、ドラマの公式Instagramアカウントの投稿には、視聴者からの「毎日のように安子ちゃんに泣かされてました」「萌音ちゃんしか演じられなかった」といった感想が多数寄せられていた。時代に翻弄されながらも、健気に生きる安子の姿が、お茶の間に大きな感動を届けたといえるのではないだろうか。
また、上白石はドラマや映画のみならず、舞台での活躍も印象的だ。ミュージカル『ナイツ・テイルー騎士物語ー』には、2018年の初演から牢番の娘役で出演し続けているほか、2023年3月には、同じくミュージカル作品『ジェーン・エア』で主演を務めることも発表されている。女優業と並行してアーティスト活動も行っている上白石だが、その美しい歌声を活かし、ミュージカル女優としても注目の存在となりそうだ。
現在は舞台『千と千尋の神隠し』に出演している上白石。先日、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にゲストとして登場した際には、同作への期待の声に対して“怖い”という思いがあったことを明かしつつも、「私が演じるのは10歳の女の子なので、子供らしい無鉄砲さで飛び込んで行けたらいいなと思います」と意気込みを語っていた。その言葉通り、上白石は10歳の少女である千尋という役柄を体当たりで演じ、ネット上では既に「映画の中から出てきた様な再現度の高さ」「萌音ちゃん、千尋にしかみえない」などの反響があることからも、その演技力が高く評価されていることがうかがえる。
時に悩みながらも役と共に成長する彼女の姿は、ドラマや映画・舞台といった作品を通じて、これからも多くの人々に愛されていくのではないだろうか。『カムカムエヴリバディ』でヒロインを演じた経験や、『千と千尋の神隠し』での挑戦などを糧に、さらに女優として輝いていくであろう上白石の、今後の活躍に期待したい。