上白石萌歌、“ライバルであり親友”な姉・萌音との関係性
2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリを受賞して以降、さまざまな映画やドラマに出演し、女優としてのキャリアを積んでいる上白石。同じく女優の道を進んでいる実の姉・萌音も現在、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で一代目ヒロイン・安子を演じるなど、姉妹共に、芸能の世界で存在感を増していると言えるのではないだろうか。
そんな、同じ職業の姉がいる、といった環境については上白石も思うところがあるようで、自身が日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した映画『羊と鋼の森』(2018年公開)で姉・萌音と共演した際の心境については、出演したラジオ番組内で「やっぱ恥ずかしいですよね」と振り返りつつ、姉へのライバル心についてもこの時に“もちろんある”と明かしていた。その一方で「でも、それ以上に同志とか、もはや親友なんですよね。きっと1番仲の良い友達が姉で」とも語っており、仕事の話などを姉妹で共有し、共感してもらえることで互いに救われる、といった一面もあるようだ。
2人の関係性について、姉の萌音もテレビ番組で語ったことがあり、“妹とケンカをするのか?”といった質問に対して「全くないですね。仲良いです」と答え、共通の悩みや楽しさを抱えている、1番話の合う人物で、2人で芝居の話をよくすると明かしていた。
そんな姉妹は、数年前から2人暮らしをしているとのことで、上白石は過去にテレビ番組に出演した際には、家の中でのルールや役割の分担に関して“お互いにやれる時にできることをやる”と話していた。しかし、料理の支度などを姉に任せてしまうことも多いようで、そんな自身の性格について上白石は“次女気質”といった言葉で表したこともあり、そういった発言からも、普通の姉妹らしい生活の様子を垣間見ることができる。
上白石は現在、adieuの名前で音楽活動も行っており、2017年には映画『ナラタージュ』の主題歌を担当。今年の8月に行われた初のワンマンライブ『adieu First Live 2021 -a plus-』はチケット即完のため、国内外で配信が行われるなど、女優としてだけでなく、その歌声でも人々を魅了している。
そういった華やかな経歴を持つ一方で、過去には悩みもあったようで、18歳当時について上白石は“今までの人生の中で1番落ちていた”と占い番組に出演した際に明かしており、仕事に対して向いていない、辞めたいという気持ちが強く、事務所にも相談していたという。また、「“自分がここにいていいんだろうか”とか“絶対にここにいるべきじゃない”っていうのを1番強く感じていた時ですね」といった言葉でも、過去の葛藤を語っていた。
そんな過去の苦悩とは対照的に、今年公開の映画『子供はわかってあげない』では主演を務め、来年から放送開始予定の『ちむどんどん』で連続テレビ小説への初出演が決定するなど、現在は“ここにいるべき女優”としての存在感が強まっている印象を受ける上白石。同ドラマ内では、ヒロインの妹である比嘉歌子を演じるとのことで、歌をこよなく愛する、といった設定も含め、自身の姿と重なるようなこの役どころを、彼女はどう演じていくのだろうか。“1番の親友”であり、最も身近なライバルでもある姉と高め合いながら、これからも女優、そして歌手として成長していくであろう上白石の今後に、ぜひ注目していきたい。