前田敦子、総選挙で選ばれる人生からの“卒業”と母親としての姿
10代の多感な時期を日本のトップアイドルとして駆け抜けた前田は、当時の自身について、“反抗期だった”と回想している。また、“10代をやり直したい”と語りつつも、他の人生を歩むのではなく、AKB48の一員としてもう一度活動したいと話すこともあった。さらに、過去に前田が口にした“私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください”といった言葉についても、卒業から5年ほど経った2017年放送のテレビ番組では「今だったら言わないかも」と話すなど、AKB48卒業後の前田からは“丸くなった”ような印象を受けるのではないだろうか。
そんな前田は、今年、AKB48からの卒業を意識した時の心境について、現在の乃木坂46のメンバーなどは28歳程度まで現役でいられる、と前置きした上で、自身は“20歳を越えた時に、アイドルの賞味期限が切れた”と感じたと明かしており、卒業公演が行われる1年程前から秋元康氏に相談し、メリットとデメリットを知った上で、発表する瞬間まで迷って決めたと、当時を回想していた。
反抗期、そして青春時代ともいえる10代の半分以上を“AKB48のアイドル”として過ごした前田は、卒業後は女優としてして映画『Seventh Code』(2014年)やドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』(2016年/TBS系)などに出演し、主演を務めるなど活躍の幅を広げ、私生活では2018年に俳優の勝地涼と結婚。2019年の3月には長男を出産しており、子供が生まれたことで、睡眠時間が早くなるなど、生活が激変したと明かしていた。
前田はその後、勝地とは離婚したものの、現在も息子と共に3人で休日を過ごすなど、結婚していた頃よりもオープンな関係性になることができたという。一方で、再婚については“今はまだ考えていない”とも語りつつ、「おちび(息子)にとってすごい一緒にいて楽しいっていう人がいたら、再婚したい」というコメントも残している。
現在、前田は“家族のために頑張ろう”といった思いを持って仕事に向き合っているようで、子供の留学に対する関心があることから、そういったシミュレーションもしていると話していたことがある。また、自身のInstagramアカウントでも子供の成長について時折触れており、自身が今年で30歳を迎えた際には、息子が初めて書いたという似顔絵の画像を掲載していた。さらに、過去に出演した番組内で“息子は彼氏のような存在になっている”と話していたこともあり、彼女が母として深い愛情を注いでいることが感じられるだろう。
10代でトップアイドルに登り詰め、AKB48のアイドルグループとしての地位を確立させる立役者となった前田は、今、1人の母として、日々子育てに奮闘している。“総選挙”で誰かに選ばれるのでなく、自らの人生を自分で選択していく前田敦子の姿に、今後も注目していきたい。