白石麻衣、乃木坂46“卒業後の道”を切り開くマルチな才能
無観客で行われたコンサートで、生配信をファンらに見守られながらグループを卒業した白石。乃木坂46のメンバーとして華々しく活躍していた印象のある白石だが、先輩メンバーの敷いたレールのない、1期生といった立場で始まったアイドル人生には苦労もあったようで、ネットの配信番組では、オリジナル曲すらなく、AKB48の楽曲などをライブでカバーしていた当時について「“どうなるんだろう”とも思った」「ちゃんと認めてもらえるグループになれるのかな、みたいな」と、不安な心境を振り返ったこともあった。
乃木坂46の1期生は、初ステージも、抽選で選ばれたファンの前で1人ずつ自己紹介し、最後に自分を選んでくれたファンと握手をする“お見立て会”といった特殊な環境で行われており、この時の心境をメンバーは“歌う方が楽だと思った”と明かしていた。
そうしてゼロからスタートした乃木坂46も、白石らメンバーの活躍によって、2015年には初の『NHK紅白歌合戦』出場、2017年の11月には初の東京ドーム公演が行われるなど、人気グループとしての階段を駆け上がることとなった。その前線で活動していた白石は、2017年当時はライブ後に6時間にわたる握手会に参加し、その翌日は早朝から映画の撮影を行うなど、多忙な生活を送っていたが、そんな中でも“応援や言葉が力になっている”といった、ファンへの感謝を口にする場面もあった。
グループやファンに対して真摯に向き合ってきたことがうかがえる白石。そんな彼女について、同じく1期生として共に乃木坂46の創成期を支え、白石よりも先に卒業を迎えた西野七瀬は、自身の卒業前に放送された『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で、「初期の頃からずっと前に立って(グループを)引っ張って行ってくれてたから」と、結成当初はフォーメーションの後方の位置から、最前の位置で踊る白石の背中を見ていたことを語っており、涙ながらに一緒に活動できた喜びを伝えていた。
そんな白石は、自身の卒業についても、タイミングは何度もあったとしつつ、「周りのこととか、グループのこととか見てると、“じゃあ自分はもうちょっと乃木坂で頑張らなきゃいけないんだな”ってちょっと思ってきちゃって」と、グループの状況を優先しているうちに、気付けば9年間活動し続けていたと話していた。
「私はこれからいちファンとして、乃木坂を応援していけたらいいなと思います」と、自身のいない乃木坂46への思いも語っていた白石だが、卒業後に変化を聞かれた際には、楽屋での様子の違いを挙げて、「メンバーと時間があれば、いろんな話したり、ふざけ合ったりってしてたのがなくなってしまったので、ちょっとさみしい気持ちでいっぱいです」と、寂しさを滲ませる場面もあった。
グループを愛し、長年活躍し続けた白石は、卒業後の連続ドラマ初出演作品となった『漂着者』(テレビ朝日系)では新聞記者役を演じ、同局放送の“社会科見学バラエティー”『ウラ撮れちゃいました』のMCも務めるなど、活動の幅を広げている。さらに自身のYouTubeチャンネル『my channel』では料理やゲームに挑戦したり、現役の乃木坂46メンバーである秋元真夏を呼んで生配信を行うなど、枠にとらわれない、白石の様々な一面を見ることができる。
卒業後に開設したInstagramアカウントで、乃木坂46について“大切で大きな存在”と表現し、「乃木坂と出会えてよかった」と語っていた白石。乃木坂46を支え続けた彼女がこれから進んでいく道は、今後グループから巣立つメンバーらの将来を照らす、明るい道しるべになるのではないだろうか。