乃木坂46・高山一実、アイドルと小説家“二足の草鞋”で駆け抜けた卒業までの道のり
高山は、28thシングル「君に叱られた」での活動をもって同グループを卒業することを発表するも、本来、9月中に行われる予定だったコンサートが延期され、彼女のアイドル人生も、少しの間、延長戦を迎えることとなった。楽曲プロモーションが終わった後については活動を控えるとブログで宣言した後も、『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)などには出演しており、11月10日の放送では、乃木坂46として過ごした日々を楽しかったと回想しつつ、「世界で1番叶えたかったアイドルという夢が叶って、今後の夢がないっていうのは、すごく幸せなことなのかなって最近思ってます」と、自身の卒業への心境を、前向きな言葉で明かしていた。
そんな高山の人間性について、同じく乃木坂46の秋元真夏は“人を笑顔にするムードメーカー以上の存在”といった言葉で語っており、高山が卒業してしまうことへの不安や、その存在の大きさについて吐露したこともあった。そんな明るく、飾らない高山の行動は時にメンバーを驚かせることもあり、一般人の看護師の女性と名前も知らないまま意気投合し、テーマパークなどに一緒に行きたいという話題にまでなった、というエピソードを語った際には、メンバーの新内眞衣から「それはコミュ力おばけすぎ」と声をかけられる場面もあった。
アイドルには欠かせない、バラエティ番組での姿についてもファンから愛されており、過去に『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)で神社でロケを行った際には“後で何を祈ったか聞かれるから、何を言おうか悩んでいるうちに終わってしまった”と参拝後に話し、SNS上を「素直で正直」「バラエティー力ある」と沸かせていた。
また、高山を語る上で欠かせないのは、彼女の小説家としての一面だろう。元モーニング娘。の道重さゆみのファンだったという高山は、道重のような“王道のアイドル”として活動しつつ、雑誌『ダ・ヴィンチ』で2年以上にわたって「アイドルを目指す、ある女の子の10年間」を綴った本格小説『トラペジウム』を連載し、2018年には単行本として発売された。高山はアイドルと小説家の二足の草鞋での活動で、一時期、眠れないような毎日を送っていたという。その一方で、執筆のオファーを受けた心境については“今までの仕事の中で1番嬉しかった”と、喜びを語っていた。
自身のアイドルとしての道のりについて、“全部が幸せではなかったが、メンバーらと苦難を乗り越えたことで光が見えた”と語ったこともある高山。ステージやファンの前で見せるアイドルの姿、原稿に向かい合う小説家の姿、そしてメンバーたちと笑いあう素の姿、時に苦労しながらも、いつも笑顔で過ごす彼女の姿に、勇気をもらった人も多いのではないだろうか。
周囲から惜しまれつつも、乃木坂46という居場所から巣立つ彼女は、これからも、その笑顔で誰かを幸せにしながら、自分の手で新しい物語を紡いでいくのだろう。そんな彼女の今後の活動にも、ぜひ注目していきたい。