上白石萌音、『君の名は。』『恋つづ』から着実に飛躍を遂げた“多彩な魅力”
11月1日から放送スタートのNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で、初代ヒロインの安子を演じる上白石萌音。女優に加えてアーティストとしても活動しており、10月13日には自身初となるシングル『I’ll be there / スピン』をリリースした。また、KinKi Kidsの堂本光一・井上芳雄ら出演のミュージカル『ナイツ・テイルー騎士物語ー』でも、その歌声を披露している。本記事では、そんな上白石の1つのジャンルに留まらない多彩な魅力に注目してみた。
上白石が芸能活動を始めるきっかけになったのは、彼女が12歳の頃に受けた“東宝シンデレラオーディション”。このオーディションで審査員特別賞を受賞したことで芸能界入りを果たした上白石だが、この結果に家族は相当驚いたようだ。当時を振り返ったテレビ番組のインタビューでは、会場にいた上白石の父親が、娘が受賞するとは思っておらず、別の参加者にカメラを向けていたため、発表の瞬間の写真が1枚も残っていないという、少々変わったエピソードが明かされている。
そんな上白石は、2016年に公開され大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』で、宮水三葉役の声優をオーディションで勝ち取り、一躍注目を浴びる。その後もさまざまな作品に出演していた上白石がさらに人気を獲得したのが、2020年のTBS系ドラマ『恋はつづくよどこまでも』だ。上白石は、容姿端麗・頭脳明晰だが“超ドS”なドクター・天堂浬(佐藤健)に恋するナース・佐倉七瀬役を好演。多くの視聴者が、この“胸キュン”ラブストーリーに惹きこまれた。
注目作への出演を経て人気女優に成長した上白石だが、ブレイクによる多忙な生活の中で“プライベートの時間がない”と感じることもあったという。しかし、最近ではその忙しさを“自分のやりたいことをできているのが自由だ”と前向きに捉えられるようになったそうだ。さらに、ある番組では、自身の仕事について、「最初は緊張して緊張して色々準備して準備してだったのが、ちょっと見えてきているような」と明かした上で、デビュー当時の“みずみずしい気持ち”を持ったまま成長していきたいと語り、他の出演者からは、「すごい!」「頭が下がります」と感心の声があがっていた。
また、上白石は、文筆業にも挑戦しており、今年9月には自身初のエッセイ『いろいろ』を発売。同書には50篇の書き下ろしエッセイが収録されているが、実はその倍もの量を書いたそうで、内容に納得がいかず、多くをボツにしたという。同エッセイについてのインタビューでは、そんな苦労を明かしながらも、「そこからいかにして気持ちをすくい上げて前を向くかなんだなっていうのを自分に教えてもらいました」「ポジティブ力みたいなのを養われた気がします」と、このエッセイで得た“気付き”を明かしており、自身の内面と真摯に向き合って執筆に臨んだことがうかがえる。
女優・声優・アーティスト・文筆業といったさまざまなジャンルで活動する上白石。そんな彼女が憧れているのは、上白石と同じくマルチな活躍を見せる女優・松たか子だという。先日放送された番組では、松を“どのようなフィールドでも一流”と評し、理想とする人物だと語っていた。『カムカムエヴリバディ』への出演でますます注目が集まるであろう上白石だが、その多彩な魅力は、これから先も深まっていくのではないだろうか。