田中圭、中谷美紀との夫婦役に本音「怒られると思ってました」
山本周五郎賞、新田次郎文学賞受賞作家である原田マハの25万部超えベストセラー小説を原作とする同作は、日本初の女性総理と前途多難な“総理の夫”との大騒動を描くヒューマンコメディ。
田中が大財閥生まれの世間知らずなお坊ちゃんにして鳥オタクのファーストジェントルマン・日和を、中谷が才色兼備で誰よりも男前な凛子を演じる。
オファーを受けた際の心境を尋ねられると、田中は、「中谷さんと夫婦役ということで、緊張しました。ハラハラしましたよ」とコメント。中谷から「どういう意味ですか?」と突っ込まれると、田中は「悪い意味じゃないんですけど、怒られると思ってました」と明かした。中谷から、「ほら、悪い意味じゃないですか!」とさらに突っ込まれ、田中は大慌ての様子だったが、一連のやり取りが笑いを誘った。
中谷は「監督からお話を頂いた当初は、『日本で女性の総理大臣なんて、絶対無理でしょ』というちょっと意地悪な気持ちで、原作と脚本を読ませて頂きました」と述懐。
「凛子は、働く女性が子どもを産み、そして育てやすい社会を作るという素敵な理念を持っていて、それは女性だったら誰しもが願っていることですよね。女性としてとても共感して演じさせて頂きました」と続けた。
役作りについて、中谷は「『ヒステリックに主義主張を、しかめっ面をして叫ぶだけでは、今、日本で総理大臣って無理だよね』と監督がおっしゃって、私もそれに賛同しました」と回顧。世界の女性リーダーたちの様子を観察したことを振り返り、「世界には女性リーダーたちがたくさんいまして、そうした方々が、怒りをグッと堪えて、微笑みを絶やさなかったり、穏やかな口調で話をする姿というものを参考にさせて頂きました」と明かした。
田中が演じた日和は、中谷が演じた才色兼備&完全無欠なカリスマ女性総理とはかけ離れた役柄だったそうで、田中は、「何もしない主人公ってなかなかいなくて。僕は台本を読んだときにそれがすごく嬉しかったんですよ。主人公像として、巻き込まれていくだけで本当に何もしないやつというのが」と声を弾ませた。
ただ、「監督は覚えてるかな。できれば忘れていてほしいなと思うのですが、衣装合わせのときに、監督から、『どうでした? 本を読んで』と言われて、すごくやりがいや嬉しさがあったのですが、つい監督に、『いやあ、ホント、何もしない主人公で嬉しいですよ』って言っちゃったんでっすよ。やる気がない風に取られたんじゃないかな」とエピソードを紹介。河合監督に「どういうふうに思いました? 『こいつ、やる気ねーな』と思いました?」などと尋ねていた。