「アナグラム研究所」も話題!トム・ブラウンが語った自らの“強み”と歴史とは?

2020.8.24 17:30
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トム・ブラウン

2018年の『M-1グランプリ』では決勝に進出するなど、現在漫才・コント問わず才能を発揮しているお笑いコンビ、トム・ブラウン

インパクト抜群のボケ・みちおさんと、超ハイテンションなツッコミ・布川ひろきさんの2人から生み出される、斬新なネタが支持されています。

最近では、先日、日本テレビ系『有吉の壁』で披露したネタ「アナグラム研究所」がMCの有吉弘行さんに絶賛され話題になるなど、数々のテレビ番組で爪あとを残すお二人にコンビの歩みについてや、ネタのこと、そして今後のことについても伺いました。

-ーお二人がコンビ結成を結成された経緯はどんなものだったのでしょうか?

布川ひろきさん(以下:布川):僕は元々お笑いをやりたかったんです。それで、高校の時、部活に後輩として入ってきたみちおと、よく遊んだりしていて馬が合ったので「コンビ組もうよ」と誘ったんですが「プロスノーボーダーになりたいんで、すみません」と断られました。

しょうがないので、1人で札幌のお笑い事務所に入りました。2、3年、ピンでやっていたら、オーディションのライブにみちおが違う人とコンビを組んで出てたんですね。で、「どうしたの?」と聞いたら、「お笑いやりたくなりまして」と。当時、みちおはネタの設定などで意味の分からないことを言っていたらしくて、みちおとコンビを組んだ人がみんな「意味が分からない」とこぼして、1ヶ月くらいで解散していたんです。

そこで、僕はもう一回誘ってますし、居酒屋に行って「コンビを組まないか?」ってまた誘いました。そうしたら、「今日はいい酒になりましたね」とカッコつけた言い方で遠回しに承諾されて。乾杯して、コンビを組みました。

みちおさん(以下:みちお):スノーボードをやってたんですけど、一緒に滑ってた仲間が大ケガをしちゃったんです。「これは命懸けだな、どうしようかな?」と思っていたときに、先にお笑いを始めていた布川くんが北海道のローカル番組に出てたんですよね。それで「布川くんでテレビ出れるなら、余裕なんじゃないか」と思って(笑)

布川くんに誘われたことは覚えてたんですけど、布川くんとだったら面白くならなそうだなと思って、違う人と組みました(笑)結局、誘っていただいてありがたいなと思って、コンビをはじめましたね。

-ーそんないきさつがあったんですね!そんなお二人は上京後、主に“地下ライブ”で活躍されていたと伺っています。当時のエピソードや苦労されたお話があったら聞かせてください。

布川:一番覚えているのは、あるライブのトリを僕たちが務めた時のことです。元々お客さんが10人くらいで。そのお客さんも目当ての芸人さんが終わったら帰ってしまって、僕らの3組前でお客さんが0人になりました。結局、0人の前でフルパワーでネタをやったんですが、そのライブに出演するためにお金も払っていたので「なんだこれ?」と思ったことがありましたね。

当時は本当にお金がなかったので、居酒屋にも行けず、芸人仲間とチェーン居酒屋の前に行って「(ここに)入りてえなあ」と言いながら、スーパーで売っている聞いたことがないような安いお酒を飲んでいたこともあります(笑)

みちお:地下ライブの中でも女の子に人気があるとか、ないとかがあるんですけど、僕らはない方でした。当時、女の子に人気がある人たちのライブにゲストで呼んでもらったのですが、僕らの出番の時だけ、女性のお客さんが出て行って、僕らが終わったらまた戻ってくるとか(笑)

そして、とにかく、お客さんのキャラが濃かったです。例えば、日本刀の形をした傘を持っていらっしゃったお客さんがいて、悪気はないのでしょうが、他の方と笑うタイミングが違ってたんですよね。それで、周りのお客さんも、芸人達も変な空気になるみたいな。そのお客さんはどこかのライブで出入り禁止になったらしいんですが、それでも普通に来て「あれ、出禁って言いませんでしたっけ?」と言ったら、「はい」と平然としていたらしいです。それくらい“味”が濃い場所でした。

-ー色んな経験をされてきたんですね。そんな地下ライブの経験が「今役に立っているな」と思うことはありますか?

みちお:一番は、何を言われても平気になったことですかね。人間って、よくないことを言われたら落ち込んでしまうものだと思いますが、僕たちは元々そういうところでやっていたので、ある程度の耐性が身に付いたかなと思います。

布川:それはかなりあると思いますね。僕らと同じくらいにテレビに出させてもらうようになった芸人さんたちと話していると、「今日、エゴサーチしたら、『つまんねえ』ってめっちゃ書かれてたんですよ」って言うんですけど。「いやいや、そんなの俺ら毎日あったよ」って。

髪を伸ばし始めたときに「髪が長い方が気持ち悪いし、つまんねえ。死ね、帰れ」とライブのアンケートに書かれたこともあります。ゲストでライブに呼んでもらったときのアンケートでは「ゲストは必要ありません」「トム・ブラウンに金を払う価値はありません」とか。なので、今は何を言われても動じないです。

-ーそんな時代を過ごされたお二人が、2018年に『M-1グランプリ』で決勝進出を果たして、世間の注目を浴びられました。それから変わったことはありますか?

みちお:SuicaやPASMOなどの交通系ICカードは、払い戻すと預り金の500円を返してくれるんですが、お金がなかったときは、カードを払い戻してその500円をもらっていました。そして、毎月、買い直して、すぐに払い戻して……みたいなことを続けていて。最近、それをやっていないなと思うと幸せな気持ちになります(笑)

布川:後輩芸人から聞いたのですが、みちおが後輩芸人から「タピオカ飲みましょうよ」とタピオカ屋さんに誘われたそうなんです。そうしたら、みちおが「ちょっと」とか言って、JRに行って500円をもらって帰ってきたらしいんです。タピオカが400円くらいで、結局、みちおが後輩にタピオカをおごって、みちおは飲まずに後輩だけ飲んだそうです(笑)

みちお:最近は、普通の居酒屋だったらお金のことを気にせずに後輩を連れていくことができるようになりました!(笑)

布川:僕が一番変わったなと思うのが、単独ライブにお客さんが入るようになりました。以前は、開催2日前でもチケットが2枚しか売れてないというような状況だったんですが、今は、おかげさまで売り出した日に完売するようになりました。舞台でネタをやっているときが僕は一番楽しいので、それはかなり嬉しいです。

みちお:責任が出たな、と思うようになりました。好き勝手やれないな、と言いますか、当たり前のことなのですが、恥じた行為はできないという気持ちが生まれました。2018年に『M-1グランプリ』で決勝に残るまでは、そういうことはあまり気にしていなかったのですが、「これは人間としてあっているのか」と考えるようになりました。

-ーやはり、2018年は大きな転機になられたんですね。そんなお二人は“トム・ブラウン”の強みをどんなところだと思ってらっしゃるんでしょうか?

みちお:ツッコミがいないところですかね?

布川:僕、ツッコミですけどね!(笑)

みちお:コンビ史上、世にも珍しい“2人ともちょっと気持ちが悪い”ところ(笑)

布川:舞台とかで、みんなが笑わないと感じる、いわゆる“お客さんが重い日”というのがあるんですが、そういう日は、僕らは割と得意です。多分ですけど、2018年の『M-1グランプリ』のときも、それまでお客さんが“重い”状態だと思われてたんですよ。だから僕らはちょっとだけ行けたのかなと。そういうときに突き抜けられるところが強みかなと思います。逆にお客さんが軽いときは、あまり受けないですが(笑)

-ーなるほど。その“重い日”に突き抜けられる要因は何だと思っていますか?

みちお:あの、あんまりバレてないんですけど…。実は、僕らはシュールなんですよ。

布川:実はじゃなくて、シュール側だと思われてるよ、多分!(笑)

みちお:最近僕ら、“パワーシュール”って言われるんですけど。パワーと、エネルギーと、シュールですね。

布川:“重い”ときは、例えるなら、お客さんが脂っこいラーメンを食べたくなっているときなんじゃないかな。そういうときは僕らは調子が出るんですよね。

みちお:僕たちは、豚骨ラーメンのスープにそばが入っているみたいな。ラーメンばっかだなと思っているときに「なんかヘンテコなそばが出てきたぞ」みたいな。そんな感じで受け止められてるんじゃないでしょうか。

-ーお二人は漫才だけでなく、コントにも取り組んでいらして、先日放送された日本テレビ系『有吉の壁』で披露された「アナグラム研究所」なども話題になりました。漫才とコントのネタで、それぞれ、こだわっている点はどんなところでしょうか。

布川:コントでは、“目で見て笑えること”を意識しています。僕には伏線回収とかをするネタを作れる脳ミソはないので、とにかく1回、1回笑えるものを作るようにしています。

あとは、外国人の方が見ても「なんか面白いな」ってなるように、パッションや熱で面白くなることを意識しています。漫才のときも動くんですが、コントのときはより強く動くようにしています。それは、世界を笑わそうとしている、ということです!これ、絶対載せてくださいね!(笑)

みちお:漫才でも、目で見て面白いことは絶対必要だと思いますが、一番気を付けているのは、めちゃくちゃに聞こえるけど、文字に起こしたりしてしっかりと聞いたときにちゃんと意味が通っているようにネタを作ることです。最初に聞いたときは意味が分からなくて、みんなが「どういうこと?」となってしまったとしても、自分たちの中では「ああ、そういうことか」と理解できるように作っています。

布川:三段落ちとか、テクニックっぽいものもたまに入れるのですが、そうしたらめちゃめちゃ滑ります。“お前らみたいなのがテクニックを使うな”ということなのかは分からないですけど(笑) なので、そういうものは入れずに、自分たちが面白いなと感じたことを優先しています。

-ー今は、ネタはお二人で作られてるんですか?

布川:そうです。最初のころは僕が作っていて、途中からみちおが作るようになりました。僕が作っていたころはボケのパンチが弱かったんですよね。その後、みちおが作るようになってから、ボケのパンチは強くなったのですが、流れがまったく意味が分からなくなって。

フットボールアワーさんがネタを2人で作っていると聞いて、「そういうやり方もあるんだ」と思い、じゃあ2人で作ることにしようと。そうすると、今までの中で一番、よくなりました。

みちお:2人でしゃべりながら作ると、「ああ、こうだな」と、その場で感情が分かって、話が早いんですよね。

-ーこれまで試行錯誤されてきて、今のお二人の形があるんですね。それでは、最後になりますが、今後、挑戦してみたいお仕事はありますか?

みちお:MC業まで、昇りつめたいです。

布川:君はMCタイプじゃないよ(笑) 君はずっと走り回っててください!

みちお:そうやって夢を語っているやつを笑っているやつは、みんな夢半ばで死んでいく!一番を目指してないと、その下にもいけないから。

布川:なるほどな(笑)

みちお:目標は、MCでお茶の間のトップスターです!朝も、昼も、夜も、夜中もずっと出ていたいです。あとは、映画が好きなので携わってみたいなと思いますね。

布川:2人とも北海道出身なんで、北海道で冠番組をやりたいですね。あとは、北海道の市町村全部で単独ライブとか。

みちお:ピンネタで?

布川:いや、お前も行くんだよ!なんで俺一人なんだよ!(笑) それと、ずっと言っていることなんですが、北海道の雪まつりの石像にもなりたいです。去年なれなかったので、来年、再来年こそ!

また、前に、(事務所の先輩芸人の)Hi-Hi・岩崎(一則)さんに「お前は何でも我慢できる男だな。辛いことがあっても、人よりも辛いと思わないやつだ」と言われたことがあるんです。なので、水中に入って何分いられるか、氷点下40度のところで何分耐えられるか、そういうのをやりたいですね。それで死んだら本望です。

みちお;ホントですか?

布川ひろき:いや、死にたくはないですね(笑) 娘が生まれたし、妻子に悪いので。

-ーお二人とも、本日はありがとうございました!

◆トム・ブラウン

写真左:布川ひろき
北海道札幌市出身
1984年1月28日生まれ

写真右:みちお
北海道札幌市出身
1984年12月29日生まれ

日本テレビ系『有吉の壁』でも話題沸騰中「アナグラム研究所」がCMに!

【今後の出演予定】
2020年8月26日 19:00~ 日本テレビ「有吉の壁」
2020年8月26日 24:50~ テレビ朝日「太田伯山」※関東ローカル

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