10年間歩いた音楽人生と、結婚・出産を経た今の思いをCOMA-CHIが明かす。

2016.10.11 21:39

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今年、音楽活動10周年を迎えるCOMA-CHI。フィメールNo.1日本語ラッパーとしての呼び声も高く、メジャーでも活躍した彼女は、この10年間ラップだけに留まらない多様な形での音楽活動を展開してきた。

10年間の間には、メジャーからインディーズへ活躍の場を移したり、結婚・出産など人生の転機も経験した。

そんな彼女が、活動10周年記念ベスト盤「C-10 〜selected 2006-2016〜」をリリース。このリリースに当たって、これまでのCOMA-CHIの音楽人生、考えの変化、今のシーンについて思うこと、新アルバムについてなど、語ってもらった。

<気づいて振り返ったら10年経っていた>

ー10周年迎えての今の心境は?

率直に言えば感慨深いってことなんですけど。音楽がただ好きで続けてきて、10年前に「10年間は続けよう」とか目標を持ってやっていた訳ではないし、気づいて振り返ったら10年経っていたって言う感じです。ただ、10年やっててよかったなぁって思うのが、いろんなことが一回りして、改めて出会うものがあったり、サポートしてくれる人たちの存在の大切さに改めて気付かせてもらったりすること。やっぱり継続することは大事なんだなって思いましたね。

<10年間の一番の転機は“出産”>

(10年の中の)一番大きい転換期が出産です。出産の時に、育児だけに集中してアーティスト業を辞めてもいいのかなって思ったことももちろんあったんですけど。やっぱり子供に対して「あなたのために音楽辞めたのよ」って後々説明するんじゃなくて、子供から見た時に「お母さんは何か一つのことをずっと続けて来たんだ」って、それがメッセージになるような生き方をしたいなって思ったんですよね。

子育てっていうのは、自分のエゴだけでは出来なくて、対象する存在がメインになってきますよね。自分がそこに対して与える喜びみたいなことを知ることが出来るのが育児だと思うんです。

その体験を通して、今までは音楽的にも「自分が表現したいことを表現したい」っていうだけだったのが「みんなが喜んでくれるんだったら、じゃあやってみようかな」とか思えるようになって、少し間口が広くなった感じはあるかもしれないですね。

<フィメールラッパーとしての“COMA-CHI”への期待には応えたい>

ー今再びのラップブームですが、COMA-CHIの中でラップへの解釈や意識の変化はありますか?

最近、洋楽を聴いて、またラップってかっこいいなって思い出してるってのはありますね。あと「SUMMER BOMB※」でもZeebraさんが誘って下さったように、HIP POP界の人たちがフィメールラッパーとしての私の立ち位置を必要としてくれている感じがしたというか。だから、そういう期待には自分のやれる範囲でちゃんと応えていけたらいいなとは思ってます。

ー今はラップバトルが注目されていますが、このシーンをどの様に見ていますか?

私の中ではラップも歌もそんなに変わらないんです。音楽の上に自分の言葉をサウンドとして乗せていくだけなので、それをサウンドとして気持ちいいと思うかどうかが軸になっているから。だから、特にディス=ラップだとも、HIPHOPだとも思わないし、バトル部分はバトルでアリだと思うけど。そこは自分のペースでやりたいかな。

自分が最初にラップが好きだなと思ったきっかけが、90年代のアメリカのNYのラップなんです。最初は打楽器的な感覚で言葉が並べられていく中で、言葉がわからなくても、サウンドで言葉が打楽器になることによって、よりエモーションが伝わるところが好きでラップを始めたので、グルーブ感とエモーションを入れ込むっていうのが一番大事にしてるところですね。

<ベスト盤は「これを聞いてライブに遊びに来てください」と言える一枚>

ー活動10周年記念ベスト盤「C-10 〜selected 2006-2016〜」を作ろうと思ったきっかけは?

ここ数年で、(音楽活動を)ライブ中心に考えるようになってきて、ライブをしていく中でお客さんに「今日やったライブの曲のCDが欲しいです」って言われることが多かったんです。ただ、私の場合、沢山のアルバムタイトル出してきて、その中から少しずつピックアップしてセットリストを作っているので「このアルバムを聴いてライブに遊びに来てください」って言える一枚がなかったんですね。

その期待に応える一枚じゃないですけど。現在もちろんライブでやっている曲で、かつこれからもやっていくであろう楽曲っていうのを(今回のアルバムの選曲の)一つの軸にしているので、これを持っておいてもらえればこの先私のライブに遊びに来てくれてもいっぱい分かる曲があるんじゃないかなって思います。

ー10年間の作品を一枚のアルバムに纏めてみての感想はありますか?

(それぞれの曲の)ディティールは変わっていってるんだけど、何か一つ「あ、やっぱCOMA-CHIだな」ってものが提示できたんじゃないかなって思っていて。声の質感とか、音とか、変わっていることもあるけど、変わらないものもあるなって言うのが感想です。

(これまでの音楽活動で)いろんな側面を出しているから「何がCOMA-CHIなんだろ?」みたいなところがあって、それぞれで違うので、今回が“総まとめ”みたいな形で「これが“THE COMA-CHI”じゃない?」っていうのを、一回10年の節目で振り返って、総括出来たんじゃないかと思いますね。

ー新録のリード曲「衝動(sure shot!) feat.元晴(SOIL&“PIMP”SESSIONS)」は“がっつり”のラップ曲ですね。この曲を作ろうと思ったきっかけと、元晴さんとのコラボの経緯を教えてください。

10年経って一般に広まった“COMA-CHI”像と言うか、期待されてるのがやっぱりストイックなラップの部分なのかなと。歌が好きって言ってくれる人もいるし、色んな人がいますけど、まとめてみると、ストイックなCOMA-CHIのラップが聴きたいっていう声が多かったので、それを10周年の記念にやってみようかなって。

(コラボについては)元々HIPHOPのトラックベースで歌っていたのが、その後の活動で生楽器主体の活動になって、すごくスタイルが変化したんですね。その後に生楽器・生バンドで培った部分を、また原点であるトラックに融合させて表現していくようなことをしたいなと、ここ1年くらいで思い始めたんです。

それで、ここ1年の配信の曲は全部それを意識してるんですけど、その中でベーシストだったり、キーボーディストだったり、ギタリストの人と一緒に作ってきて、その流れでサックスでという感じですね。そして、あえて歌ものではなくて、サックスとラップがそのまま絡み合うっていう面白さにちょっと挑戦してみたいなって思いました。

ーメジャーの中でCOMA-CHIを位置付けた、新録の「perfect angel(DJ mistu the beats original ver.)」の収録の経緯についても聞かせてください。

これは、実はメジャーでやっていた頃に採用されなかったバージョンなんです。「perfect angel」って曲は、(今回収録された)トラックの上で書いたものだったので、何らかの形でいつかみんなに聞かせたいなと思っていて。このタイミングでふと思いついたので、今がチャンスなのかなって。

7年ごしでレコーディングしてみて、意外に今の実態に合ってるんですよね。(当時は)早かった?みたいな(笑)(オリジナルの方でもmitsuが共作として名前が入っているので)コアな人は(当時)「これのどこにミツ君が入ってるの?」って思ってたと思うんですよ。だから「これがその答えです」って言える曲なんです。

ー最後にファンの皆さんに一言お願いします。

「C-10 〜selected 2006-2016〜」は、ライブに遊びに来てもらう一つのガイドブックみたいなものでもあるので、これを聞いてサビでもなんでも覚えていただいて、後はライブで堪能してもらえればと思います。

※1:8月21日日比谷野外音楽堂にて行われたHIPHOPイベント。この日、COMA-CHIは10年ぶりのフリースタイルへの参戦を果たした。

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